・wikipediaより
健忘(外傷後健忘, PTA)
健忘(けんぼう)は記憶障害のうち、特に宣言的記憶の障害された状態を指す。
宣言的記憶(陳述記憶)とは記憶のうち言語で表現できる種類のもの、エピソード記憶や意味記憶のことである。
一般的に言う「もの忘れ」から「記憶喪失」まで含んだ概念である。
なお、健忘の「健」は、甚だの意である。
健闘の「健」と同じ意味。
分類
健忘は様々な病態および症候の総称であり、いくつかの観点から分類ができる。
原因による分類
心因性
心的外傷やストレス (生体)|ストレスにさらされたことでおこる健忘。
精神病理学的には解離性障害|解離の一種に分類され、解離性遁走や譫妄と合併することも多い。
脳に器質的な障害はみられない。
外傷性
頭部外傷をきっかけとしたもの。
薬剤性
精神作用のある薬剤の使用によるもの。
飲酒によるものが体験されることが多く、睡眠導入剤によるものもよく知られる。
症候性
全身疾患の症状としての健忘。
コルサコフ症候群、正常圧水頭症などでは代表的な症状である。
認知症(痴呆)
認知症で健忘は必発であり、初期からみられる。
また、神経の変性疾患で健忘そのものが症状である疾患もこれに分類される。
時間的関係による分類
前向性健忘
受傷などをした時点以降の記憶が抜け落ちる状態。
記銘、すなわち新しい物事を覚えることができなくなってしまう状態。
逆向性健忘
受傷・発症より昔の記憶が抜け落ちた状態。
記憶を呼び出す想起の障害つまりある地点から遡っての記憶が引き出せない状態のこと。
: よくドラマなどで使われる「ここはどこ?私は誰?」はこの逆向性健忘と解釈できる。
その他
薬剤性のように、薬剤が有効である間の記憶がない場合は、睡眠導入剤であれば「中途覚醒時健忘」などと表現することがある。