大型ディーゼル車の環境対策4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・4.2 新長期規制以後を指向した排気後処理技術前述したように新長期規制では排気後処理が必須と見られている。

現在開発が進められている、PM とNOx に対する後処理装置には以下のようなものがある。
4.2.1 ディーゼル微粒子除去装置(DPF)
DPF は排気系マフラーの位置に設置され、図5に示すように、排気ガスが内部のフィルタを通過する際に排気中のPM がフィルタ上に捕捉される。
排気中のPM はフィルタにより90%近く除去されるが、捕集したPM を燃焼させて除去すること(再生)が重要な機能として要求される。多量のPM の再生は高い熱負荷をともない、耐久性を損なうことから、再生のコントロールが難しく、未だに完成度の高いDPF が存在しないのは、この再生機能の困難さによるところが大きい。
PM の主成分である炭素粒子は着火温度が約600℃と高く、フィルタ上に捕集されたPM が排気熱で自着火し再生することはきわめて困難である。

このため、なんらかの再生手段が必要となる。
バーナーや電気ヒーターを用いた強制着火により間欠的に再生する方式(間欠再生方式)では、強制着火システムや、適正なPM 捕集量を検知するシステムが必要となるが、信頼性のある検知方法が未だ開発されていない等の課題があり、現在技術的な関心は薄らいできている感がある。
フィルタ上に担持した触媒の作用により連続的に再生を行う方式(連続再生方式)は近年開発が進められている方式で、触媒の作用により酸化力を強化し、250℃から300℃程度で連続的にPM を酸化させることをねらったものである。図6に本方式の例を示す。

本例では、NO2の酸化力が強く300℃以下の温度でPM の酸化が可能である点に着目し、フィルタに前置された酸化触媒により排気中のNO をNO2に変換し、このNO2により後段のフィルタ上でPM を酸化させるものである。

燃料中の硫黄分が高いと硫黄酸化物が生成するので、硫黄分50ppm 以下の低硫黄軽油(現行500ppm)の使用が不可欠である等、制約条件も多い。

現行軽油では高負荷時にサルフェート(硫酸化合物が生成され、結果としてPM 低減率が悪化する場合がある。

このため、わが国においても軽油中の硫黄分を2004年までに現行の500ppm から50ppm に低減することとなっている。


図5                 図6 図をクリックして拡大してご覧下さい


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