大型ディーゼル車の環境対策3 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

4.ディーゼル車の排気対策
4.1 排出ガス低減のための燃焼制御技術今後の超低エミッション化に対応するためには、後処理技術は必須と考えられるが、その浄化効率は80%程度であり、エンジンアウトでの排出ガス低減も重要となる。

このための燃焼制御技術の中から代表的なものを紹介する。
4.1.1 コモンレール式燃料噴射装置
ディーゼル機関は圧縮上死点近傍で気筒内に燃料を噴射し、空気と混合して自己着火することにより燃焼が開始される。

ディーゼル機関では平均的には空気過剰の状態(希薄混合気)で運転されるが、実際には噴射された燃料は不均一に分布し、局所的に酸素不足の所ではPM が発生し、理論混合気に近いところではNOx が発生する。

したがって、いかに燃料噴霧を微粒化し空気と均一に混合させるかが燃料噴射装置の重要な使命である。噴霧の微粒化、均一化を図る方法の1つは、噴射圧力を1000気圧以上まで上げることである。

従来、ディーゼル機関の燃料噴射装置にはジャーク式と言われる機械式の噴射ポンプが用いられてきたが、エンジン回転速度依存性があり、低回転では圧力が上げられないことから、コモンレールと呼ばれる方式が主流となりつつある。

本方式は、図4に示すようにコモンレールと呼ばれる蓄圧室に加圧された燃料を、各気筒に取り付けられた電子制御式の噴射弁で供給する方式で、エンジン回転速度に依存しない高噴射圧力が得られる。


図4 図をクリックして拡大してご覧下さい

化学物質過敏症 runのブログ-無題5

・4.1.2 過給/インタークーラー
エンジンに吸入される空気量(給気量)を増やすことは燃焼効率の面から重要であり、クリーン化、高効率化につながる技術である。

このため、4弁化、過給/インタークーラ等により出来る限り多くの空気を供給するための努力がなされている。
過給は強制的にエンジン気筒内に大量の空気を押し込むシステムで、インタークーラは、空気の密度の低下を避けるため、過給により上昇した給気温度を下げるために用いる。

4.1.3 排気ガス再循環( Exhaust GasRecirculation-EGR)EGR は排出ガスの一部を吸気に環流することにより燃焼温度を下げ、NOx を低減する方法で、環流率の増加に伴ってNOx が減少するが、ある程度以上になると黒煙が急増するので、エンジン負荷、回転速度に応じた環流率の制御が必要である。

過給/インタークーラ付エンジンにおいてもNOx を低減させるためにはEGR が必要で、圧力の高い吸気側に効率よく排気の一部を環流させるための工夫が試みられている。