電磁波(ELF とRF)の公衆被曝基準の論理的根拠5 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・Ⅱ. 科学の要約
A. がんの科学的証拠
1. 小児白血病
送電線とその他のELF 発生源が小児白血病の高い発症率に関係がある、という一貫した科学的証拠は、国際がん研究機関(IARC、世界保健機関の一部門)で人間に対して発がん性の可能性があるかもしれない(発がんリストグループ2B)と分類される結果につながった。小児白血病は、子どものもっとも一般的ながんのタイプだ。
ELF への被曝が小児白血病を引き起こすという小さな疑いがある。
リスクを増やす被曝レベルはきわめて低い――ちょうどバックグラウンドか、環境中の被曝レベルの上で、現在の被曝限度値よりもはるかに低い。

現行のICNIRP 限度値は、ELF の場合1000mG(アメリカでは904mG)だ。小児白血病の増加リスクは、安全基準の約1000 分の1 以下のレベルで始まる。

幼い少年の白血病リスクは1.4mG 以上で2倍になる、とある研究で報告された(7)。

ほとんどの他の研究は、幼い子ども(0~16歳)と年長の子どもを結びつける。その結果、リスクレベルは、被曝が2mG か3mGになるまで、統計学的な有意性に達しない。

しかし、いくつかの科学的批評は、リスクレベルが4mG 以上で始まることを示す方法で、小児白血病の研究を結びつけた。

これは、2mGや3mGの低い被曝レベルでリスクが上昇することを報告する、数多くの研究を反映していない。
2. その他の小児がん
脳腫瘍を含むその他の小児がんが研究されてきたが、リスクがあるかどうか、それらのリスクがどのくらい高いのか、リスク増加にどの程度の被曝レベルが関係するのか、を知るための十分な研究は行われていない。

その他の小児がんについて確実性が不足していることを、「大丈夫だ」という合図だと受け取るべきではない。むしろ、それは研究が不足していること示す。
世界保健機関ELF 健康基準論文No322(2007 年)は、その他の小児がんを「除外することはできない」と言っている(8)。
その他の小児がんがELF 被曝に関わる科学的証拠がいくつかあるが、充分研究は行われていない。
いくつかの最近の研究は、ELF が小児白血病と後生のがんのリスク要因である、というさらに強い科学的証拠を示した。

最初の研究によると(9)、高いELF 環境で療養していた子どもたちは、生存率が低い(ELF場が3mG以上だと死亡リスクは450%増加)。2番目の研究によると、2mG以上のELF環境で療養していた子どもたちは、被曝が1mG以下の子どもより300%多く死亡するようだ。

この2 番目の研究で、1~2mGのELF環境で療養していた子どもたちも生存率が低く、死亡の増加リスクは280%だった(10)。
これらの2 つの研究は、子どものELF 被曝は1mG以上のレベルでさえ有害だ、という強力な新しい情報を与える。

三番目の研究は、高圧送電線から300m以内の家に住んでいると、子どもが将来、何らかのがんのリスクを持つことを示す(11)。

300m以内に生まれてから5 年住んだ子どもは、何らかのがんのリスクを発症するリスクが500%高くなる。

小児白血病の子どもと療養している子どもは、ある研究では家(または療養している場所)でのELF 被曝が1~2mG、他の研究では3mG以上だと生存率が低い。
ELF に関する小児白血病のリスクの延長した研究と、2~4mG帯における被曝が子どもに対するリスク増加に関わるという一貫した結果を受けて、居住空間では新しい建造物について1mGの限度値が勧められる。

現存する居住空間を1mGレベルに改良するのは困難で費用がかかるが、現存する居住空間と子どもや妊婦が長期間過ごすかもしれない場所でも、好ましい目標として勧められる。
新しいELF 公衆被曝限度値は今、存在する科学的証拠と公衆衛生政策の介入と予防の必要性を受けて、正当に認められる。