低周波音問題の現状とその実際例5 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・それから、伝搬については、音源の大きさによってその減衰の仕方が違うわけですが、音源というのは放射面積が実は効いてきます。

放射面積が大きくなると音のエネルギーが大きくなるという関係になっていますので、できるだけ放射面積を小さくするということが実は必要になってくるわけです。
測定ですが、測定方法は法的には存在しないのですが、一応、騒音の測定方法に準じたやり方でやりましょうということです。

環境省はマニュアルを作って、そのときに心身への影響と物的への影響については、測り方を決めようということで、心身への影響に対するものについては、G特性注5)と、それから周波数分析は、平坦特性で1/3オクターブバンドで、物的への影響については、周波数分析を平坦特性で1/3オクターブバンドで測定をすることで、それで何らかの形で評価できるようにしたいということで決めていったわけです。

G特性とはISO-7196というもので決められたものでして、一応1ヘルツから20ヘルツのところになっています。
その当時、各国で20ヘルツ以下についての聴感特性の研究がなされて、各国から論文が出てきました。

そのとき、実はかなりばらついたのです。

ばらついたので、普通ですと平均値で決めるのですが、我々のほうの国際会議では、それはやはり平均値で決めることはやめようじゃないかという話をしている最中に、計測器のほうのISO-7196で実は決まってしまったという、そういういきさつがあります。
それで、測定方法に関して、レベルレコーダに記録するとか、パソコンで直接測定解析するとか、実は非常に進んできております。
このような測定技術の発展が、問題になっている人間の生理的とか心理的な影響のところまでなかなか結びつかないというところに、悩ましい点があると思っております。
そして、低周波音ですので、実は風の影響が問題なわけです。特に風車の場合ですと、風が吹かないと羽根が回転しないので、音が発生しないということになります。風には許容風速というのが実はありまして、風速の影響をできるだけ受けないように、騒音計のマイクロホンの先にウインドスクリーンというものをつけて測定するわけです。

ウインドスクリーンをつけていないときには、かなりレベルが高くなりますが、つければ若干レベルが下がるというようなことで、できるだけ風のないときに測定するということになるわけですが、風車の場合はどうしたらいいだろうかということで、これからも議論していかなくてはいけないのではないかと思っております。
対策の進め方としては、これはお医者さんと同じでして、まず、いろいろ問診をしていくということです。

ある程度分かれば聴診器でやろうと。

聴診器ですと低周波音圧レベル計とレベルレコーダを利用して、それで調べていく。

それから、もうちょっときめ細かくやろうということで、レントゲン撮影のところまで持っていけば、ある程度発生源とか放射面とか音響問題の部分、いわゆる音響的なものについては分かってくるのではないか。

更に、もっと高度な断層写真に相当するような、きめの細かい測定解析をしていけば、問題となる発生源を特定することができるのではないかということで、そういうような方法を使って、対策に結びつけていくということになるわけです。
基本的対策には、音源対策と、伝搬系対策と、受音側対策というのがありますが、実際は音源対策というのが基本になるわけです。
これが現実にはなかなか難しい話になるわけです。

かといって、伝搬系と受音側のところでやれるかというと、それもなかなか難しいということになります。

そうすると、1カ所でやるのか、この3カ所のところで、バランスをとりながら考えてやるのかというようなことも、実は検討していかなくてはいけないということになります。