・今では、発生源が特定されれば、ある程度対策方法というのは確立されてきておりますので、事前の対応にある程度の費用をかければ、できないことはないということになります。
私の経験ですと、最初から問題が発生しないように組み込んでいった場合に、大体1デシベル下げるのに10万円から8万円ぐらいでできますが、何もしないでこれから対策をやろうとすると、下手をすると1デシベル下げるのに500万円ぐらいかかるというようなことになりますので、やはり最初から対策をしておくということが重要になってくるということです。
かなり前から情報を発信しているのですが、なかなか現実にはうまくいっていません。
それから、受音側の対策ですが、これらはアクティブコントロール技術ではないのですが、実際にいろいろなことが実施されています。
睡眠時に耳栓を着用するとか、耳保護器を着用するとか、定在波注6)の影響のない場所へ移動して寝るとか、規則正しく睡眠薬を飲用するとか、影響のない住宅地へ転居するとか、自宅内の音源、ラジオなどをつけて、それで聞こえないようにするとかでマスキング効果注7)を得るとか、あるいはストレスを解消するためにヨガやエアロビクスなどをやるとか。実際にこういうことをやって、問題を解決している人も中にはいるということを聞いております。
低周波音の問題の評価手順ですが、環境省の「低周波音問題対応の手引書」に書かれております。
低周波音の評価の領域ですが、4つの領域があります。
領域によって、発生する現象が異なるということが一応分かっておりますので、低周波音による苦情を評価する際に、うまく利用していただければよいのではないかと思います。
今までの測定した結果を何らかの形にしなくてはいけないということから、実は今までですと、大体一般成人とか健康の方を主体にして、それも若い人ですね、大体20歳代の若い方を対象に、また、苦情者にも協力していただいて、それで得られた結果に基づいて、参照値注8)ということにしております。
評価指針としては、周波数ごとに評価をしていくというところです。
それで、心身の苦情に係る評価指針としては、G特性では92デシベル以上ということです。ISOは100デシベル以上になっています。
これは、日本で100デシベルというのはちょっとレベルが高いということで、ISOの値よりは下げているということであります。
構造物に対する影響についても、苦情の内容のほとんどは、屋根瓦がずれるとか、モルタル壁のひび割れとか、窓枠とか家具などががたつくとか、大体同じようなものが多くなっています。
それをうまく物的苦情に関する参照値で判断可能かどうかというのを見ていくわけです。
発生する場所は住宅とか工場とかいろいろあって、発生源もいろいろあります。大体自分の家の近くに、隣近所にあるというようなものです。
苦情の内容としては心身にかかわる苦情がほとんどになっておりまして、周波数も、低周波音といいながらも、ほぼ可聴音域のものです。
中には、がたつきですので8ヘルツぐらいのところがありますが。
発電機は、160とか200ヘルツぐらいの領域になっています。