・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin01.html
http://www.kokumin-kaigi.org/newsletter/newsletter_59.pdf
・有害化学物質を規制する法律講座
化学物質政策基本法に向けて
ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議は、「化学物質政策基本法を求めるネットワーク」(ケミネット)の参加団体として、「化学物質政策基本法」の制定に向けた活動をしています。
詳しくは、http://www.toxwatch.net/cheminet/index.htm
をご覧下さい。
なぜ基本法が必要なのかを皆さんにより深く知っていただくために、有害化学物質を規制する法制度をこれからシリーズで学んでいきたいと思います。
有害化学物質を規制する法制度には多種多様なもの
があり、とても複雑です。今回は、消費者製品(家庭用品)を規制する法律について見ていきましょう。
第1回 消費者製品についての法規制
Q 消費者製品(家庭用品)を規制する法律にはどのようなものがあるのでしょうか?
A 消費者製品(家庭用品)に関しては、有害化学物質に関する法制度と、表示に関する法制度の二つに区別して考えることができます。
前者で主要な法律が、「家庭用品規制法」(正式名称は「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律」)です。
その他に、薬事法、食品衛生法等によって規制されているものもあります。
後者の表示についても複数の法律が関わっていますが、主な法律としては、「家庭用品品質表示法」があります。
今回は、特に家庭用品規制法について見ていきましょう。
Q 家庭用品規制法の制定経緯は?
A 1960年代半ばに、衣料品や洗剤による健康被害が社会的にクローズアップされるようになりました。
これを受けて、1970年に、科学技術庁が「衣料処理剤に関する基礎調査資料」を発表、1971年には、厚生省が「日用品等に含まれる化学物質の健康に
及ぼす影響に関する研究」(豊川レポート)を行い、柔軟剤や蛍光漂白剤による健康被害の実態が明らかになりました。
そして、有害物質を含有する家庭用品を規制するために、1973年に家庭用品規制法が制定されました。
Q 家庭用品規制法の規制の対象は?
A 家庭用品規制法は、主として一般消費者の生活の用に供される製品を「家庭用品」と定義しています。
そして、家庭用品に含有される物質のうち、水銀化合物その他の人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質として政令で定める物質を「有害物質」として様々な規制を行っています。
現在、20物質が有害物質として指定されています。
一方、薬事法、食品衛生法などで規制されている製品については、対象外になります。
Q 家庭用品規制法ではどのような規制ができるのでしょうか?
A 大きく分けて、次の4つの規制があります。
①家庭用品の基準の設定
厚生労働大臣が、保健衛生上の見地から、家庭用品を指定し、それについて、有害物質の含有量、溶出量又は発散量に関する必要な基準を定めることができます。
②販売等の禁止
①の家庭用品の基準に適合しない家庭用品の販売等が禁止されます。
③回収命令
以下の2つの場合に、厚生労働大臣又は都道府県知事は、家庭用品の回収命令を出すことができます。
少し複雑ですが、法律の要件を見てみましょう。
まず一つ目は、①の基準に適合しない家庭用品を販売し、又は授与したことにより人の健康に係る被害が生ずるおそれがあると認める場合において、当該被害の発生を防止するため特に必要があると認めるときです。
①の基準に違反した家庭用品を販売したケースがこれにあたります。
二つ目は、家庭用品によるものと認められる人の健康に係る重大な被害が生じた場合において、当該被害の態様等からみて当該家庭用品に当該被害と関連を有すると認められる人の健康に係る被害を生ずるおそれがある物質が含まれている疑いがあるときです。
この場合は、①の基準は要件として求められていませんが、人の健康被害が現実的に発生している必要があります。
つまり、健康被害が生じるおそれがあるという段階では、回収命令を出すことができません。この問題については後で詳しく検討しましょう。
④立入検査等
厚生労働大臣又は都道府県知事は、家庭用品規制法を施行するため必要があると認めるときに、事業者に対して、必要な報告をさせたり、立ち入り、検
査、質問、家庭用品の収去をすることができます。