環境化学物質の脳内汚染とその影響 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin01.html


・ニュースレター 第54号 (2008年10月発行)


環境化学物質の脳内汚染とその影響
財)東京都医学研究機構・東京都神経科学総合研究所 黒田 純子

 近年環境ホルモン問題は、脳神経系や免疫系への影響に注目が集まっている。

脆弱な発達期の胎児、小児期において、脳発達に必須のホルモン作用や生理活性物質が攪乱されると、大きな影響を及ぼす可能性が高い。

成人脳でも、多数の環境化学物質汚染による慢性複合影響が懸念される。

ここでは、脳の特殊性と成人脳における環境化学物質の影響について、さらに胎児、小児における発達期脳への影響について、最近の知見を紹介したい。

1.成人脳は血液脳関門で外界から保護
 脳は心身の中枢として重要であるが、再生能力に乏しく損傷を受けると回復しにくい。

また神経系の機能は、厳密なイオン濃度や神経伝達物質などの生理的化学物質の働きに依存しているため、成分が変動しやすい血液やリンパから隔離されていないと、神経機能が攪乱される。

そこで成人脳は、硬い頭蓋骨と脳膜に囲まれ、脳脊髄液という特殊な体液中に隔離・保護されている。

脳に栄養や酸素を供給するのは血液であり、血管は脳に張り巡らされているが、血液は血液脳関門とよばれる頑丈なバリアで隔離され、脳実質内は血液と異なる組成の脳脊髄液により一定の環境を保っている。