・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin01.html
・ニュースレター 第38号 (2005年12月発行)
総会記念フォーラム 第2日目 記念講演会 特別報告
「PCBの人体汚染測定結果を考える」
講師:千葉大学大学院医学研究院 次世代環境学プロジェクト/環境生命医学
深田秀樹助教授
PCBによる人体汚染はまだ過去の話ではないと言われます。
では、私達は一体どれくらいPCBに汚染されているのでしょうか? どうすればそのリスクを減らすことができるのでしょうか?
PCBによる人体汚染を測定する調査を、千葉大学大学院医学研究院の次世代環境健康学プロジェクト/環境生命医学(森千里教授)が行ったことは、国民会議のニュースレターでも以前ご紹介しました(Vol.36、p2-3)。今回は、深田秀樹助教授から、その測定結果からわかってきたことや、プロジェクトの新たな取り組みについてお話しいただきました。
●PCBの人体汚染測定からわかってきたこと
千葉大学大学院医学研究院の次世代環境学プロジェクトは、次世代の健やかな発育・発達とQOL(生活の質)向上を目的に、環境化学物質の問題に関する調査研究や情報提供を行っています。
具体的には、q環境化学物質に関する情報を提供し、w私達が自分自身の汚染状況を知るシステムを構築し、さらに、eその汚染を回避・削減する方法を情報提供していくという3つを活動の柱に置いています。
PCB人体汚染の調査は、プロジェクトの一環として、日本人のPCB汚染濃度の実態を把握するために行われました。
2005年春に実施された第一回目の調査では、20代から60代までの男女合計145名(19名の国会議員含む)の血液中のPCB濃度が測定されました。
その集計結果からは、PCBが全員から検出され、一部に暴露量が高い人がいたこと(国会議員は比較的濃度が高かったそうです!)、年齢が上昇するとPCBの濃度も上昇すること、男性と出産未経験の女性の濃度は同程度だったこと、出産経験者は出産未経験者より低かったことなどがわかったそうです。この調査は今後も継続的に行われてデータが蓄積されるとともに、将来的には化学物質の健康診断のシステムが構築される計画です。