・3)ケミレスタウンプロジェクト
2007年、次世代環境健康学プロジェクトに、ケミレスタウンプロジェクトが追加された。
ケミレスタウンプロジェクトは、シックハウス症候群の根本的対策の実践である。
シックハウス症候群に関しては、膨大な化学物質の中から一つずつ疾患との因果関係を検証し、原因を明らかにするという対応をとることは不可能で、環境を変えることが根本的対策となる。
ケミレスタウンプロジェクトは、大学キャンパス内に化学物質を低減したモデルタウンを建設し、最も感受性の高い胎児を基準とした環境改善型予防医学研究を行い、環境ユニバーサルデザインによる街づくりを確立することを目指す実証実験なのだ。
ケミレスタウンプロジェクトにおいても、①認知、②関心、③行動・対応の3方向からシックハウス症候群対策を講じている。
すなわち、①ケミレスタウンを創設することで、情報を発信し、②モデルタウン内の診療科でケミレス必要度テストを行い、③シックハウス症候群の疑いのある子どもと家族はモデルハウスに居住し、症状改善を検証する。
また、環境改善型予防医学や、環境ユニバーサルデザインという価値観の普及に努めている。
4.未来世代のために
化学物質なしの生活は不可能である。
しかし、これを削減し、現代及び未来世代の健康を守ることは可能である。
次世代環境健康学プロジェクトは、胎児を基準にした環境予防医学を日本全体へ、そして世界へ普及する拠点として活動を続けている。
【報告:和久井智子】