・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin03_53_07.htm
・ニュースレター 第23号 (2003年5月発行)
国民会議ブックレット『化学汚染から子どもを守ろう』出版記念シンポジウム基調講演より
超潔癖社会と免疫力
東京医科歯科大学医学部教授
藤田 紘一郎さん
「ダイオキシン・環境ホルモン対策会議」は3月22日、東京都豊島区の勤労福祉会館大会議室で『化学汚染から子どもを守ろう』と題するブックレット出版記念シンポジウムを開催しました。
シンポジウムでは、国民会議副代表で小児科医の毛利子来さんが「子どもの治癒力と化学物質」、そして東京医科歯科大学医学部教授藤田紘一郎さんが「超潔癖社会と免疫力」について話され、最後に会場とパネリストとの意見交換を行いました。
ここでは、藤田紘一郎さんのお話を紹介します。
(構成:山口 香・編集委員)
私は普段から便利になりすぎたり、能率を良くすると、かえって不便になるという話をしています。
私たちの身体は、一万年前と細胞学的にも免疫学的にも全く変わりません。一万年前というと、裸でジャングルや野原を走っていたんですね。
ところが私たちは、綺麗なほうがいいということで、綺麗にしてきました。
便利なほうがいいということで、便利にしてきました。
そうしますと、私たちの身体の中で非常に変なことが起こっているのです。
一万年前から私たちの身体は変わっていないけれど、人間だけが楽をしよう、得をしよう、そういう社会を作ってきたのです。
たとえば、いつでも食べられるコンビニ食は便利で良いように見えます。
ところが、私たちの身体は好きな時、好きなだけ食べて良いような身体ではありません。
便利だからといっていると、落とし穴があります。
今日は「キレイ社会の落とし穴」について話します。綺麗にすることは良いことだけど、行き過ぎているのです。