シックスクール対策連絡協議会報告書6 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・パッシブ法で測定を行った換気扇停止時、換気扇稼動時、及びアクティブ法で測定を行った一部の居室において、定性定量されたすべての物質が低い値となり、それぞれ定められている基準値を下回った。

また、
3-1, 5-2 においては、換気扇開閉の2 条件で測定され、換気扇停止時がすべての物質で換気扇稼動時を上回ったが高い値ではなかった。

このことより、後述した改善策において居室内の気中濃度低減に有効であったのは、換気扇を設置したことによる換気量増加のみではなく、床・壁のクリーニング、出入口木製建具及び4階教室掲示板の取替え、4 階教室天井裏の仮設送風機による送風・換気などにより各部位からの化学物質放散量が低減したことも大きかったと考えられる。
4 トルエン発生の原因についての検討
4-1 使用材料のMSDS 調査
MSDS(化学物質等製品安全データシート)とは、事業者が製品を他の事業者に出荷する際に、相手方に対して、使用された化学物質に関する情報を提供するためのものであるMSDS 制度は平成11 年7 月に制定された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」に基づき、平成13 年1 月1 日から実施され、義務化された。MSDS を調査することにより、製品にどのような化学物質がどの程度、含まれているかを把握することができる。
そこで、使用された化学物質を割り出し、トルエン、キシレン等の材料における含有量を把握することを目的として、工事に使用された材料のMSDS を調査した。

また、材料に含まれる化学物質及びその含有量から、室内気中濃度に影響を与えた可能性のある材料の検討を行った。

工事により使用された材料の一覧及びそれぞれの材料について、MSDS 等の文書の確認の有無を表4-1 に示す。

また、工事の際に使用面積の大きかったと思われる塗料、接着剤、シーリング材等のMSDS に記載されている化学物質成分を表4-2 に示す。
MSDS の調査結果より工事に使用された材料のうち、トルエンを発生させた可能性のあるものとして、鉄骨ブレース、窓枠、カーテンボックス、巾木、出入口扉などの木部、鉄部の塗料に使用したSOP と呼ばれる合成樹脂調合ペイントと、この溶剤として使用したシンナーが挙げられた。
また、塗料以外にトルエン濃度に影響を与えた可能性のあるものとしてサッシ窓枠や外壁ボードなどのシーリング材裏側に使用したプライマー(下地処理剤)も挙げられた。
MSDS 上には、大部分の材料にトルエン含有の記載は無かったが、含有量が1%未満ならばMSDS に記載する必要はなく、また、灯油やナフサ、ミネラルスピリットといった表現で、実際にはトルエンを含む混合
物が記載されていた。

MSDS で表示されていないが使用量の多い建材、施工材については総量としては問題になる可能性がある。