・最後に、平成14年度PTA文集「あれい」から武居みささんの「シックハウス問題から考える『便利』から『少しの不便』へ」を紹介いたします。
「娘が通っている学校でシックハウス問題が起きた。
その言葉は、以前から知っていたし、随分前だけれどテレビで、アメリカの女性がシックハウスにより、化学物質過敏症になり、自宅から一歩も外へ出られないという悲惨な番組を見た事もあった。でも、そのテレビの内容と、娘が通っている学校で起きた問題を同レベルで捉えていなかった。
捉えられなかった理由の一つに情報隠しという問題と、そこから来る情報不足がある。
濃度が基準値の何倍と言われても、その数値を判断する材料が少なく、又、関係者からの説明も、「窓を開けていれば大丈夫なレベル」というような楽観的なものだったからだ。
その後、二度程、シックハウスの講演会を聞いたり、本や資料などを見てこれは重大な問題だと気付かされた。
また、学校だけではなく、身近な家庭にも化学物質が沢山あることを知った。知らず知らずのうちに多くの家庭でも安易に使っているものが多いのではないかと思い、是非紹介したい。
まず第一に家庭の中で最大の化学物質(空気汚染)は、タバコであると言われた。
幸い我が家では吸う人はいない。
ぜんそくや、アレルギー疾患とも関係があり、息子が小さい頃、協立病院の矢崎院長に、義父がタバコをやめるよう言われた事を思い出した。
第二に、玄関やトイレの芳香剤。これに関しては空気汚染と知っていたので購入はしていない。炭や、活性炭吸着マットタイプを置くなどしている。
第三にタンスの防虫剤。これに関しては汚染物質との認識がまるでなくて、年二回購入しては、せっせとタンスやクローゼットに入れていた。
考えてみれば、昔の人は薬物を使わずに、虫干しという方法で対処していたではないか。
第四に洗剤類。
アクリルタワシを使用しはじめて、台所用洗剤は、ほとんど使わずにすむ様になった。しかしトイレ用洗剤、風呂用洗剤と、いく種類も分けて購入していた。考えてみれば、石鹸とクレンザーに変えれば一本あれば用が足りる。
このように書き出せばキリがない。
現時点では、娘に症状はないが、大人になるまで、今回の影響がどう出るかはわからない。
少なくとも、これ以上化学物質に影響されない生活をしていく事しか自衛の方法はないとの事だ。
私も含め、今の大人達が便利さに流され、広告に踊らされている生活を見直す必要を感じる。
子供達が、少々不便でも、何が大切かを自分で考え判断していくことができるように。」