ジチオカーバメイト系殺菌剤 マンコゼブ | 化学物質過敏症 runのブログ

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・東京衛研より
マンコゼブ(Mancozeb)

1)ヒトの健康影響に関連する情報
ジチオカーバメート殺虫剤を防御対策をとらずに散布作業を行って高度の暴露を受けた労働者について,甲状腺刺激ホルモン (TSH) の増加,姉妹染色分体交換の頻度の上昇と染色体転座が認められた.甲状腺ホルモンのレベルには変化は認められなかった1).

低レベルで長期間の暴露による免疫系への影響を示唆する報告がある2).

2)内分泌系・発生過程に対する影響
アルビノラット雄に mancozeb 0, 500, 1000, 1500mg/kg/日を15-90日間経口投与.体重比甲状腺重量の用量 - 投与期間に相関した増加.サイロイドペロキシダーゼの活性低下およびサイロキシン値の低下を認めた3).

雄ラットに 1,000 mg/kg/日を35日間の経口投与で精巣中の精子数の減少と異常精子の増加が認められた4).

SD ラットの妊娠 6-15日にmancozeb 0,1,17,55,110,890,1890mg/m3,6時間/日,粉塵暴露.55mg/m3以上で出血,波状肋骨を持つ胎児が目立つが催奇形作用は不明確5).

SD ラットの妊娠 11日および NMRI マウスの妊娠 9日または13日に mancozeb 0,380,730,1320mg/kg を1回経口投与.1320mg/kg 投与群ラットで奇形 (水頭症,口蓋裂等) 誘発.マウスでは認められず6).

3)実験動物での臓器障害性に関する情報
甲状腺重量 (体重比) 増加:ラット 経口 500mg/kg/日 90日間7)
甲状腺濾胞細胞腫大及び過形成,コロイド消失:ラット 経口 1500mg/kg/日 360日間7)
精巣重量 (体重比) 増加及び精巣上体重量減少:ラット 経口 1000mg/kg/日 180日間8)
精子数減少:ラット 経口 1500mg/kg/日 360日間8)
肝,甲状腺重量 (体重比) 増加:ラット 混餌 75mg/kg/日 12週間9)
甲状腺濾胞細胞過形成:ラット 混餌 113mg/kg/日 12週間9)
腎,副腎,精巣重量 (体重比) 増加:ラット 混餌 253mg/kg/日 12週間9)

4)腫瘍発生に関する情報
皮膚腫瘍:マウス 塗布 100mg/kg×3回/週 31週間10)
総説11)

5)変異原性に関する情報
AMES 試験陰性:サルモネラ TA98,TA100,TA1535,TA1537,TA1538 max5000μg/プレート (±S9)12)
姉妹染色分体交換 (SCE) 増加:培養ヒト末梢血リンパ球 25μg/ml (-S9) 90分間13)
染色体異常増加:培養ヒト末梢血リンパ球 4μg/ml 24時間14)
骨髄細胞の染色体異常増加:ラット 腹腔 5μg/kg 24時間後14)
骨髄細胞の染色体異常増加:ラット 混餌 200ppm 280日間14)
骨髄細胞の染色体異常増加:マウス 経口 1g/kg/日 7日間 24時間後15)
精巣細胞の染色体異常増加:マウス 経口 1g/kg/日 2日間 24時間後16)
骨髄細胞の小核増加:マウス 経口 1g/kg/日 7日間17)
皮膚細胞でDNA合成増加:マウス 皮膚塗布 2mg 24時間18)

6)致死毒性に関する情報
LD50 5g/kg ラット 経口19)
LD50 >10g/kg ラット 経皮19)