2.2.2.2.13 誘導加熱式調理器具(IH調理器(電磁調理器)
誘導加熱式調理器具は元々、三相の電源が使用できる配膳業に概ね限定されていた;但し、現在では単相の家庭用が一般的となっている(IEC、2000)。誘導加熱式調理用天板は通常、数十kHz の周波数で作動する。
家庭環境では、鍋からの騒音を回避するために20kHz 以上、最大効率の実現と電磁両立性に関する製品規格に適合させるために50kHz 以下にする必要がある。
電力は通常、家電用では1~3kW、業務用では5~10kW である。コイルと鍋の結合が良くないような、最悪のばく露条件下では、最大磁束密度は大抵、天板の前面から数十cm のところで数μT 以下である。
この製品は高電圧の電気は使用しないため、電界強度は通常数Vm-1 以下である。通常、基本周波数の誘導が磁界では優勢である;但し、基本周波数に匹敵する強度の高調波成分を生じるモデルもある(Allen 等、1994)。
・2.2.2.2.15 ミシン
Hansen 等(2000)は、モーターの近くで作業することから、工業用ミシンの近くの磁界はバックグラウンド界よりも高いことを報告している。
界の強度は、作業者の胸骨あたりの高さで0.32~11.1μT であった。
6 人のフルタイムの衣料業界労働者の平均ばく露は、0.21~3.20μT であった。ミシンを使う34 人の労働者の個人のばく露についてのより大規模な研究(Kelsh等、2003)では、腰の位置における60Hz の磁界は、0.07~3.7μT の幅で平均0.9μT のばく露と報告されている 。