・診断 [編集]
2010年現在明確な診断基準はなく、現段階では1990年に米国リウマチ学会(ACR)が作成した分類基準を用いて診断している。
しかし不十分な点も多く新たな基準が検討されている。
広範囲に及ぶ痛みが3ヶ月以上続いていて、全身にある18箇所の圧痛点(ツボのようなもの)を4kgfの力で押したときに11箇所以上痛い事で線維筋痛症と診断される。
11箇所以上でなくても専門医の判断で線維筋痛症と診断されることもある。ただし、症状が他の病気によるものでないことが条件になる。
日本の患者の症状にアメリカと異なる点があるため、現在日本の分類基準が見直しが求められている。
通常の採血検査、レントゲン写真、CRPという炎症反応、筋電図、筋肉の酵素、CTスキャン、MRIを検査しても異常がなく線維筋痛症と診断できる検査は今の所ない。
時に血液検査で抗核抗体の弱陽性あるいは補体値の低下など免疫学的な軽度の異常がみられる。
軽症の膠原病や,膠原病の予備群,自己免疫疾患初期の場合があるので確実な血液検査と筋生検を行う。
筋生検による筋炎(皮膚筋炎等)・血管炎・神経炎の除外は必要である。
ただし米国リウマチ学会の分類基準では他の疾患があっても線維筋痛症は除外されないという表現がされており、線維筋痛症と診断することは誤りではないが、他の疾患が根底にないかを探すことは非常に重要な医療行為であると考えられる。