・2.2.1 電界
2.2.1.1 自然に存在する界
地球の表面上にある自然の磁界は、時間と場所によって大きく異なる。
界の第一要因は、地球と、わずかな導電性しか持たない大気によって分離された、完璧な導体の役割を果たす電離層の間の電荷分離である(Konig 等、1981)。
快晴時の表面近くの界は、一般的に約130V m-1の強度がある(Dolezalek、1979)。
強度は通常、高度、その場所の温度、湿度特性、大気中のイオンの存在の影響を受ける。
霧または雨が存在する場合には、快晴時のレベルから最大で200%の逸脱が記録されている。
日々の変化は、地表と上空の大気間の電荷移動率に影響を与える雷雨などの気象条件が原因である。
雷雨の近辺で発生する40kV m-1 までの変動は、局地的な稲妻が存在しなくても、3kV m-1に達する可能性がある。
支配的な構成要素は通常非常にゆっくりと変化するため、この現象は「静電気」として表現されることが多い。大気圏および磁気圏で起こる多くのプロセスは、数MHz にまで到達する周波数を伴う広範な信号を発する。
大気の逆転層現象では、ELF 範囲の最低値で電界が形成される(Konig 等、1981 年)。
雷放電に関係する空中電界は、1Hz 以下のスペクトルの構成要素があるが、最大の振幅構成要素には、1~30kHz の周波数を伴う。
一般的に、周波数範囲および界の強度は、地理的な位置、時間帯および季節によって大きく異なる。