ポリ塩化ビフェニール類2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・カメの卵を用いて PCBs の雌性化作用を調べている.この種の性決定は温度依存性であり,26℃では100%雄になる.これを利用し数種の PCBs を投与したところ 2’,4’,6’-TCBと 2’,3’,4’,5-TCB に強い雌性化作用のあることが示された15).
北太平洋 (北緯 37-48゜,東経 151-175゜) で捕獲されたネズミイルカの皮下脂肪中のPCBs および p,p’-DDE の蓄積濃度と血中のテストステロン,アルドステロンレベルとの関係について検討.PCBs および DDE の濃度上昇に相関してテストステロン値の低下が認められた16).
日本ウズラ雌雄に PCB (Clophen A60) 0,50,100,150ppm 添加飼料を生後 1 週齢-4週齢まで,または PCB 0,150ppm 添加飼料を生後1 週齢 - 42 日齢まで摂取させた.雌での産卵の遅れおよび産卵能力および卵殻の破砕強度の減弱が認められた.雄では PCB 処置群で精巣重量の低下傾向,精巣の輸精管に占める上皮細胞の割合とライディッヒ細胞の核容量の低下が認められた17).
SD ラット雌の7 週齢時に TCDD (2,3,7,8-TCDD) ,0.2-20μg/kg diet,PCB 126(3,3’4,4’5-PCB),7-180μg/kg diet または PCB 156 (2,3,3’,4,4’,5-HCB),1.2-12mg/kgdiet 添加飼料を13 週間摂取させた.TCDD,PCB 126,PCB 156 とも用量相関のある酵素(T4UGT) 活性の増加とサイロイドホルモン (T4) の減少が認められた.またシトクロームP450 1A1(CYP 1A1) と UGT 1A1 の増加は TCDD や PCB が Ah レセプターを介して作用することを示唆している18).
ラット (系統不明) の妊娠 1 日に PCB 169 (3,3’,4,4’,5,5’-HCB) 0,0.2,0.6,1.8mg/kgを1 回投与 (経路不明) ,および PCB 169 1.8mg/kg 投与後 PCB 77 (3,3’,4,4’-TCB)1mg/kg/日を妊娠 2-18 日に投与した.PCB 169 1.8mg 投与と PCB 169 + PCB 77 投与群で生児数と生児体重の減少を認めた.

生まれた子の雌雄と無処置雌雄間の交配では妊娠率
の低下と PCB 169 1.8mg 単独投与でのドーパミン量の増加が認められたSD ラット雌の20 日齢に PCBs (Aroclor 1242 : 80 または320μg,PCB 77:160μg,OHPCB :250μg,PCB 52 : 640μg) を2 日間腹腔内投与または Aroclor 1242:0.64,2.56,8.0mg/ratを1 回腹腔内投与した.PCB 77 を除くすべての PCBs で子宮の重量およびトリチウムサイミジンの取り込み増加を認めた.

PCB 77 はエストラジオールの子宮重量増加を減弱した.

下垂体細胞培養で Aroclor 1242 は性腺放出ホルモンに対する性腺刺激ホルモンの反応を増強した.PCBs がエストロゲン様あるいは抗エストロゲン様作用を持つことを示唆20).
SD ラット雌に PCB (Aroclor 1254) および PBB (Fire Master BP-6) を各々 0,1,5,10,50ppm の割合で噴霧した飼料を5-7 ヶ月間摂取させた.血清中トリヨードサイロニン(T3) ,サイロキシン (T4) レベルは PCB,PBB 共に用量相関性を持って抑制された.それは TSH 投与により減弱した.トリチウムラベル T4 の消失速度は PCB,PBB 投与により延長された21).

SD ラットの妊娠10-16 日に PCB 77 (3,3’,4,4’-TCB) 2,8mg/kg/日,PCB 126(3,3’4,4’,5-PCB) 0.25,1.00μg/kg/日,2,3,7,8-TCDD0.0250.10μg/kg/ 日を各々経口投与し,出生児の異常の有無,離乳児の子の甲状腺ホルモンレベルを観察した.出生児の生殖および発生に対する変化は認められなかった.

PCB 77 と TCDD の高用量群の雌で血漿中 T4 レベルの抑制が認められた.UDP-GT 活性はすべての高用量群で増加し,T3 および TSH に変化は認められなかった.肝ミクロゾームの ethoxyresorufin-ο-deethylase
(EROD) はすべての投与群で著しく誘導された22).
Wistar ラットの妊娠1日に3,3’,4,4’,5,5’-HCB 0.2,0.6,0.8mg/kg を1 回経口投与,あるいは妊娠 1 日に HCB 0.6mg/kg 1 回投与後妊娠 2-18 日まで 3,3’,4,4’-TCB1.0mg/kg/日を経口投与.HCB 単独投与で母体及び新生児での血漿中サイロキシンレベルが用量相関的に減少.胎児及び新生児の脳での thyroxine 5’-deiodinase (5’D-Ⅱ)活性増加とそれに伴うサイロキシンレベル低下.PCBs による発生神経毒性のメカニズムの1 つとして考慮される23).
グレートレイクで獲れた5 種の魚をミンクに食べさせた時の生殖への影響を調査している.コイ科の魚を食べさせたミンクは出生率の低下と生児生残率0%であり,その際の PCB(Aroclor 1254 として) 残留濃度は他種の魚に比べ最も高い値であった.ミンク脂肪中のPCB 蓄積濃度も最も高い値であった24).
Holtzman ラットの出生後 1,3,5,7,9 日 (授乳期) の母体に PCB (Aroclor 1254) 0,8,32,64mg/kg/日を経口投与後,雄子供の 130 日齢に無処置雌と交配させた.用量に関連した着床数,生児数の減少および2-4,1-4 分割受精卵減少を認めた25).
F344 ラット雌に PCB (Fenclor 42) 5-10mg/kg/日を交配 2 週間前に5 日間腹腔内投与,PCB 2-4mg/kg/日を妊娠 6-15 日に経口投与あるいは PCB 1-2mg/kg/日を授乳期間 (出産1-21 日) 経口投与した.PCB 暴露の雌から生まれた子の行動 (壁回避,遊泳,オープンフィールドなど) に異常を認めた.PCB の機能奇形誘発作用を示唆26).