ポリ塩化ビフェニール類 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・ポリ塩化ビフェニール類( Polychlorinated biphenyls, PCB )
1)ヒトの健康影響に関連する情報日本での油症事件 (1968 年) や台湾での PCB 暴露 (1978 年) は,chloracne (塩素ざ瘡) の重篤な症状を呈したが,PCB 汚染を考察する時,PCB に含まれる PCDF や PCDD 等の不純物を考える必要がある1).
高濃度暴露の健康障害は皮膚疾患が主である.油症の症状は,混入している PCDF に起因している可能性が高い.職業性暴露に関しての総説がある2).
台湾で PCDF を含む PCB に母親が妊娠中に暴露された子及び新生児期に暴露された子に成長障害がみられる3).
カナダで86 名の女性の症例から,PCB 及び塩素系殺虫剤と子宮内膜症との関連を調べたところ,因果関係は認められなかった4).
米国のミシガン州とノースカロライナ州で魚等から経口暴露を受けた母親の子に,神経の発達障害が認められた5).
スウェーデンで魚からの経口暴露をうけた母親の子に,低出生体重が多い.PCB 暴露の生物マーカーである CB-153 の濃度と低体重との相関を認めた6).
オランダで妊娠中及び生後6週間の授乳中に暴露された母親の子に出生時の体重の低下と生後3 ヶ月までの成長抑制がみられた.この障害とさい帯血や母体の血中の PCB レベルとの相関がみられた7).
オランダの42 ヶ月の小児で血中 PCB 濃度が高いのは,授乳による母親からの PCB の移行が考察される8).
オランダの3.5 才児で母乳を与えた母乳児と人工ミルクを与えた人工乳児とで血漿のPCB 濃度を比較すると,母乳児が約3.6 倍高い.授乳期間と母乳中の PCB 濃度が子供への移行を考慮する時に重要である9).
健康影響に関しての総説がある10).
生活環境に関しての総説がある11).
2)内分泌系・発生過程に対する影響
MCF-7 (ヒト乳ガン細胞) を用い17β-エストラジオールが誘導した procathepsin D (Ah
レセプターはこの蛋白の阻害に関与) の阻害効果を調べ,抗エストロゲン作用強度の指標としている.(省略)グレートレイク流域に生息するカモメ,アジサシなどに見られる生殖障害 (胚子,雛の
死亡率の増加,雛鳥の振顫,浮腫,卵殻の薄化など) が,有機塩素系の化学物質に起因していることを示唆している13).ニジマスに PCB (Aroclor 1254) 3,30,300μg/g,mirex 0.05,5,50μg/g,または Aroclor30μg/g + mirex 5μg/g 投与となる添加飼料を6 ヶ月間摂取させた.いずれの投与群も17β-エストラジオールで誘導されるビテロゲニンの減少を認めた14).