2.1.4 時間変動、高調波および過渡現象 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・2.1.4 時間変動、高調波および過渡現象
基本的な交流界は経時的な正弦波として説明することができる。

ピーク界強度を振幅と呼び、また、1 秒間の波のサイクル数を周波数と呼ぶ。多くの国の電力系統で最も一般的に使用する周波数は50Hz および60Hz である。

複数の周波数の界が組み合わされると、その結果として生じる界は、時間に対してプロットした場合、もはや正弦波ではなくなる。

組み合わされた界のパラメータ(振幅、周波数)によって、例えば矩形波または三角波のように、どのような経時変化の界も発生させることができる。

逆に、どのような形状の波形も、異なる周波数の複数の正弦波成分に分割できる。

波形をその成分周波数に分割するプロセスをフーリエ解析と呼び、これらの成分をフーリエ成分と呼ぶ。
多くの電気系統では、正弦波信号は負荷の非線形挙動によりひずみを生じる。

こうしたひずみの発生は、系統の電気特性が信号強度に依存している場合に起こる。

こうしたひずみは、信号の基本周波数に加えて、高調波と呼ばれるフーリエ成分を導く。高調波は、基本周波数の厳密な倍数である。

基本周波数が50Hz とすると、100Hz が第2 高調波、150Hz が第3 高調波と
なり、第4 も同様である。
電気工学で使用する専門用語は音楽用語とは異なる点に注意を要する:基本周波数の2 倍の周波数は、技術者にとっては第2 高調波であるが、音楽家にとっては第1 高調波である。

電気工学では、「基本周波数」と「第1 高調波」は等価な用語である。
「高調波」という用語は通常、商用周波数の整数倍の周波数を持ち(また、この周波数に固定されており)、かつ電気系統の運用の一部として生成される電流成分または電圧成分についてのみ使用する。

これらの成分は、生成した磁界または電界に高調波周波数を生成する。周波数がこれと異なり、かつ商用周波数と関連していない電流または電圧がある場合、これらの周波数は生成した磁界または電界にも現れる。
これらの電流および電圧の潜在的発生源には幾つかあるが、特に、商用周波数よりかなり高めの周波数で多い。

一般公衆のばく露に関しては、主要な発生源は、一部の電気式輸送システ
ムが使用する16 2/3(20、場合によっては15)Hz、ほとんどの航空機で使用する400Hz、画像表示端末(VDU)の画面更新周波数(コンピュータの設計の進歩に伴い年々変化してきているが、通常は50~160Hz)、および列車用、路面電車用の可変速牽引装置での使用が増えている可変周波数があげられる。

これらはすべて特定の状況に固有なものであり、またVDU を除いて、通常の屋内環境では、これらの周波数の界が見つかることはないと考えられる。

通常の屋内環境では、非高調波周波数は一般に無視できる。特定の工業プロセスに関わる職場環境では、他にも多くの発生源が存在する。
これまで考慮してきた界の周波数成分はすべて周期的なものである:すなわち、界の振幅が経時的に変動する場合でも、変動のパターンは一定間隔(例えば、基本周波数が50Hz の信号の場合20ms 間隔)で自動的に反復する。
自然および人工の界の発生源は信号を生成するが、これは周期的に反復するのでなく、1 回しか発生しないことが多い。

その結果生じる界の時間変動を過渡現象と呼ぶ。ある期間、例えば丸1 日、過渡現象が多数存在することがあるが、それらには規則性または周期性はなく、また十分に離れているので、別個の事象として処理できる。
過渡現象は事実上全てのスイッチング操作に付随し、界の変化率が速いのが特徴である。実
際に、非周期的事象としての過渡現象の基本定義には、広範囲な事象があてはまる。

過渡現象の特性は無数にあり、そのため測定が複雑化している。