・1.2.4 神経行動
睡眠および精神的負荷作業の課題遂行に及ぼす影響の可能性について、調和の取れた手法を用いた実験室ベースの研究を勧告する。
以前に使用されたよりも高い磁束密度と広範囲な周波数(即ち、kHz範囲)におけるばく露量-反応関係を同定する必要がある。
成人ボランティアおよび動物研究から、認知への急性影響は、強い電界または磁界への短期間のばく露で生じうることが示唆されている。
このような影響の特徴付けは、ばく露ガイダンスの策定にきわめて重要であるが、小児の電磁界依存性影響に関する個別のデータが不足している。
定期的に職業的ばく露を受ける成人および小児を含む、ELF界にばく露される人々の認知および脳電図(EEG)の変化について、実験室ベースの研究を実施することを勧告する。
未成熟な動物を用いた行動研究から、小児の認知影響の可能性についての有益な指標が提示されている。
出生前と出生後のELF磁界へのばく露が神経系の発育および認識機能に及ぼす影響を研究すべきである。
これらの研究は、ELF磁界および誘導電界へのばく露が神経細胞の成長に及ぼす影響に関する、脳切片または培養したニューロンを用いた研究によって補足されうる。
動物のオピオイドおよびコリン性反応を示す実験データによって示唆されている潜在的健康結果を、更に調査する必要がある。
動物のオピオイドおよびコリン性反応の変調を調査する研究を拡張すべきである。
これらの行動反応についてのばく露パラメータおよびメカニズムの生物学的基礎を定義すべきである。
1.2.5 神経内分泌系
神経内分泌反応に関する既存のデータベースから、ELFばく露がヒトの健康に有害な影響を与えることは示されていない。
ゆえに、更なる研究に関して勧告することはない。