WHO 環境保健超低周波健康影響11 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・1.1.12 防護措置
ELF電界および磁界へのばく露による認められた有害な影響に対する防護のため、ばく露限度を履行することが必須である。

これらのばく露限度は、関連するすべての科学的根拠の徹底的な調査に基づくことが望ましい。
認められている影響は急性影響のみであり、この影響からの防護のためにデザインされた国際的なばく露限度は二つある(ICNIRP、1998a;IEEE、2002)。
これらの認められた急性影響に加えて、慢性影響の存在についての不確実性がある。

これは、ELF磁界へのばく露と小児白血病との相関の限定的な証拠があるためである。

ゆえに、プレコーション的アプローチの使用が是認される。しかしながら、ばく露ガイドラインの限度値を、プレコーションの名の下に恣意的なレベルに引き下げることは勧告されない。

そのような行為は、限度値が依拠する科学的基礎を損ない、また高価で必ずしも有効でない防護策となるであろう。
ばく露を低減するための、その他の適切なプレコーション的方策の実施は合理的であり、是認される。但し、電力は明白な健康上・社会的・経済的便益をもたらしており、プレコーション的アプローチはこれらの便益を損なうべきではない。

さらに、ELF磁界へのばく露と小児白血病との相関についての証拠の弱さ、および、仮に相関があったとしても、それが公衆衛生に及ぼす影響は限定的であることから、ばく露低減が健康にもたらす便益は不明である。ゆえに、プレコーション的措置のコストは非常に低いものとすべきである。

ばく露低減の実施費用は国によって異なるので、費用とELF界からの潜在的リスクとのバランスを取るための一般的な勧告を提示することは困難である。
上記の観点から、以下の勧告を提示する。
: 政策立案者は、一般公衆および労働者についてのELF界ばく露に対するガイドラインを制定すべきである。

ばく露レベルおよび科学的レビューの原則に関するガイダンスのための最良の情報源は、国際的ガイドラインである。
: 政策立案者は、ELF電磁界についての防護計画を制定すべきである。

これには、一般公衆および労働者についてのガイドラインの限度値を超えないことを確認するため、すべての発生源からの電磁界の測定が含まれる。
: 電力の健康上・社会的・経済的便益を損なわない限り、ばく露を低減するための非常に低い費用のプレコーション的方策を実施することは合理的であり、是認される。
: 政策立案者、地域社会の計画担当者、製造業者は、新たな施設の建設や、新たな機器(電気製品を含む)の設計の際に、非常に低費用の方策を実施すべきである。
: 安全性の向上といったその他の追加的便益がある、または費用がかからないか非常に低い場合に限り、装置や機器からのELFばく露を低減するため、工学的慣行の変更を検討すべきである。
: 既存のELF発生源の変更を検討する際、安全性、信頼性、経済性の見地とともに、ELF界の低減を考慮すべきである。
: 地方当局は、新たな設備の建設または既存の施設の再配線の際に、意図しない大地電流を低減するため、配線に関する規制を施行すべきである。配線の違反または既存の問題を確認する積極的な方策は費用がかかると思われるので、正当化されそうにない。
: 各国当局は、すべての利害関係者による、情報に基づいた意思決定を可能とする、効果的で開かれたコミュニケーション戦略を実行すべきである。これには、個人が自分のばく露を低減できる方法に関する情報提供を盛り込むべきである。
:地方当局は、ELF電磁界発生施設の計画を改善すべきである。

これには、主要なELF発生源の立地の際の、産業界、地方自治体、市民の間の良好な協議が含まれる。
:政府および産業界は、ELF界へのばく露の健康影響に関する科学的証拠における不確実性を低減するための研究プログラムを推進すべきである。