WHO 環境保健クライテリア238序文2 | 化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 runのブログ

化学物質過敏症 電磁波過敏症 シックスクール問題を中心としたブログです

・電磁界
電磁界(EMF)については、超低周波(ELF)電磁界、静的およびELF 磁界、無線周波数(RF)電磁界に関する3 件のモノグラフが、それぞれへのばく露による健康影響の可能性を取り扱っている(WHO、1984;WHO、1987;WHO、1993)。これらは、UNEP、ILO、国際放射線防護学会(IRPA)の国際非電離放射線委員会(INIRC)、更に1992 年からは国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)と協力して作成されたものである。
EHC モノグラフは通常、評価を大幅に変更させるような新データが得られた場合や、何らかの作用因子に対するばく露が増大し、それが健康や環境に及ぼす影響について公衆の関心が高まった場合、あるいは最後の評価を実施してからかなりの期間が経過した場合に改訂される。
EMF に関するEHC モノグラフも現在改訂中であり、関連する電磁界周波数域(0~300GHz);静電磁界(0Hz)、ELF 電磁界(100kHz まで、本書)、RF 電磁界(100kHz~300GHz)を扱う3編のモノグラフが1 セットとして刊行される予定である。
WHO は、国際電磁界プロジェクトの責任の範囲内として、非電離放射線発生技術(0~300GHz)の健康リスクを評価している。このプロジェクトは、電磁界ばく露による健康への影響に対する公衆の懸念を受けて、WHO により1996 年に設立され、放射線環境衛生ユニット(RAD)によって管理されている。

RAD は電磁界に関するEHC モノグラフの作成を調整している。
WHO による健康リスク評価作業には、関連する科学論文を集めた大型データベースの構築が含まれる。こうした研究の解釈は、科学界でもそれ以外の世界でも意見に幅があるため、論争を引き起す可能性がある。

できる限り幅広いコンセンサスを形成するため、健康リスク評価では各国または国際的な専門のレビュー機関がすでに実施したレビューも引用している。特にそうしたレビューには以下が含まれる。
1静電磁界および超低周波(ELF)電磁界に関する国際がん研究機関(IARC)のモノグラフ(IARC、2002)。

IARCは2001年6月に、静電磁界およびELF電磁界へのばく露による発がんに関する証拠について正式な評価を実施した。このレビューの結論は、ELF磁界は人に対して発がん性があるかもしれないというものであった。
2 WHOが国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)に作成を依頼した、物理学/工学、生物学、疫学に関するレビュー(ICNIRP、2003)。ICNIRPはWHOと正式な関係を持つ非政府組織である。
3英国保健防護庁(HPA)の非電離放射線諮問グループ(AGNIR)によるレビュー(AGNIR2001a;2001b;2004;2006)。
適用範囲
EHC モノグラフは物理的、化学的、生物学的な作用因子が人の健康や環境に及ぼす影響につ
いて批判的なレビューを提示することを目的としている。したがって、そうした影響の評価に直接関係する研究を対象にレビューを実施する。

但し、これまでに行われたすべての研究について言及するわけではない。

また全世界のデータを利用し、原典の研究論文から引用を行うも
のとし、梗概やレビューからの引用は行わない。発表済みと未発表のどちらの報告書も考慮するが、発表済みのデータをつねに優先する。未発表データは、関連する発表済みデータが存在しない場合、あるいは未発表データがリスク評価にとって重要な意味を持つ場合にのみ利用する。

知的所有権にかかわる未発表のデータについてはその内密性を犠牲にせず評価に利用できるようにするため、そうしたデータに関して適用すべき手順を定めた詳細な方針声明が利用可能である(WHO、1990)。