・2.実験的研究
1)実験方法
i)実験アレルギー性結膜炎におよぼすホルムアルデヒド濃度の影響
難波の方法を少し改変して行った(難波龍人他:実験的アレルギー性結膜炎におよぼす各種化学物質の影響、日本眼科学会雑誌97:297-303,1993)。
7週齢雄ハートレー系モルモットにあらかじめ用意した抗スギ花粉血清を静脈注射し、13日後にホルムアルデヒドガス負荷2日間、そして花粉点眼による結膜炎誘発と同時にエバンスブルーを静注し、その結膜への漏出色素を抽出、吸光度を測定してアレルギーの相対的強度とした(図1)。
抗血清注射、および最終日の処置にはペントバルビタール腹腔内投与の深麻酔下で行った。
なお大気汚染の影響を避けるために、実験施設は化学的空気清浄が維持されている
特殊な飼育室内で行った。
その実験室の系統図を図2に示す。
空気フィルターはhepaフィルターと特殊に開発された改質活性炭を使用し、設備はステンレス製の設備となってる。
実験室が置かれている相模原市の外気のガス汚染濃度はメタン換算で200μg/m3 前後であり、飼育室内は50μg/m3 ガスであった。
一般動物飼育室内の汚染濃度は今回測定していないが、当然これ以上と考えられた。
負荷ガス濃度は16ppb、80ppbとし、その結果を無負荷群と比較した。