・症状・予後 [編集]
皮膚症状 [編集]
XP患者が紫外線にあたると、皮膚の露出部に異常に強い紅斑や水疱が発生し、火傷のようになってしまう。
さらに紫外線によって損傷を受けたDNAが修復されないために皮膚がんになりやすくなる。
XP患者に皮膚がんが発生する確率は、健常者の約2千倍と言われている。また皮膚以外のがん(癌)の発症率も約20倍といわれている。
3歳までに、XP患者の約75%に色素斑などの皮膚症状が出現するが、大人になってから発症するものもいる。
発症の早いものほど重症のA群が疑われ、皮膚がんも早く発生する。
特に合併の頻度の多い皮膚がんは基底細胞がん、有棘細胞がん、悪性黒色腫である。
有棘細胞がんや悪性黒色腫は転移を起こしやすく、死亡率が高い。
神経症状 [編集]
日本人に多いA群では、これらの皮膚疾患に加え、進行性の中枢神経障害や末梢神経障害が発症する(B、D、G群でも、神経障害の発症例が報告されている)。
これらの神経障害については、紫外線の照射量とは無関係であること以外は解明されていない。
神経障害を伴う群では、若年のうちに死亡する可能性が高く、特にA群の重症例では約3分の2が20歳までに死亡していた。
しかし、現在では運動やリハビリにより神経症状の進行を遅らせることができ、寿命は延びている。
主な死因には、神経障害に合併した誤嚥性肺炎などが挙げられている。
治療 [編集]
まず直射日光を極力避けることが求められる。特に日中の外出時は万全の紫外線対策が必要となる。
根本的な治療法は無いが、皮膚の腫瘍に対しては、早期に適切に切除する。
神経障害に対する治療法は現在のところ発見されていない。
紫外線防護クリームなどを用いて皮膚を保護することにより、皮膚がんの発生を抑えることはできる。