・wikipediaより
色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう、xeroderma pigmentosum)は常染色体劣性遺伝性の光線過敏性皮膚疾患である。英語名の頭文字からXPと省略して呼ばれることもある。
発症メカニズム [編集]
一般に紫外線 (UV) には、細胞内の遺伝子であるDNAを損傷する作用がある。DNAに損傷を受けると、その細胞はがん細胞となる可能性が高まる。
また、真夏の直射日光など紫外線を大量に含む光線に晒された場合、DNAが損傷を受けるだけでなく、細胞そのものが障害を受け、細胞死に至り、水疱等の火傷のような症状を示すことがあり、これを日焼けという。
通常、紫外線の照射によりDNAが損傷を受けても、すべての細胞が死んだり、がん細胞となったりする訳ではなく、大部分の細胞はDNAの損傷部位を修復する機能、すなわち不定期DNA合成 (UDS:unscheduled DNA synthesis) 機能を有していて、損傷を受けたDNAを正常な状態へと修復することができる。
しかし、XP患者では、このDNA損傷部位を修復する機能が遺伝的に低下しているため、DNAレベルの損傷が固定化され、異常細胞、すなわち、がん細胞の増殖に繋がり、皮膚がんが発生すると考えられている。
分類・原因遺伝子 [編集]
不定期DNA合成機能(DNA修復機能)の低下をもたらす遺伝子異常の相違から、A~Gの7つの相補性群(型)と、不定期DNA合成機能はほぼ正常だが、損傷乗り越え機構の異常から、DNAの損傷部位を複製する機能が低下しているバリアント(variant:v)に分類される。
色素性乾皮症の原因遺伝子は、7群(型)およびバリアント総ての遺伝子が特定されている。最初に特定されたのはA群の原因遺伝子である。
1990年にA群の原因遺伝子が日本で特定され、XPA遺伝子と名づけられた。この遺伝子はヒト9番染色体上に存在し、DNA除去修復機構に関わるタンパク質の遺伝子と考えられている。
XPは常染色体性劣性遺伝性疾患であるので、両親が保因者の場合、その子供にXP患者が生まれる可能性がある。
日本人に多いのはA群とvariantで、欧米ではC群が多い。
発病率に男女差は無い。
発生頻度は、日本では出生15,000に一人、欧米では出生250,000に一人という報告がある。
日本におけるXP患者は、約500人と考えられている。