・7. この病気にはどのような治療法がありますか
肺好酸球性肉芽腫症は、そのまま無治療の場合に、自然によくなる人もいれ ば、肺の機能が悪くなり死亡してしまう人もいるため、一定の治療方針で対処するのは困難です。
しかし、この病気の90%以上の患者さんが喫煙者であるこ とより、基本的な治療として、まず禁煙をすることが大切です。
禁煙することにより、自然によくなる、ないしは病気が進まないということも期待できます。
病気が発見された時に自覚症状が認められない場合は、数カ月の経過観察が必要と思われます。
その後、症状が出現してきた場合には、医師と相談の上、副腎皮質ホルモン治療を考慮する必要があります。
また、気胸で発症した患者さんでは、難治性・再発性の気胸であることが多いため、内科的保存療法よりも手術の方が良いという意見もあります。
人によりかなり症状も病態も異なるため、いずれにしろ、担当医との相談が必要です。
Hand-Schüller-Christian病(ハンド・シュラー・クリシチャン病)は、基本的には慢性進行性の病気であり、副腎皮質ホルモン治療が肉芽腫の改善に有効と考えられていますので、担当医と相談の上、治療する必要があると思われ ます。
副腎皮質ホルモンに対する反応が悪い場合には、免疫抑制剤による治療適応があるかもしれません。
Letterer-Siwe病(レテラー・シーベ病)は反応性の炎症ではなく、腫瘍の性格に近いものですので、現時点では、特に有効な治療法は判っていません。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
肺好酸球性肉芽腫症の場合は、全体としてみると、ほとんど変化がない(病気は完全には治らないものの、悪くはならない)ことが多いことがわかっています。
すなわち、自然に治癒してしまう場合もあります。
しかし、中には病気がどんどん進行して、肺が壊され、呼吸がうまくできなくなって死亡する場合もあります。
また、この病気以外に、たまたま悪性腫瘍が同時に見つかるよう であれば、それが予後を左右します。
Hand-Schüller-Christian病(ハンド・シュラー・クリシチャン病)は、基本的には慢性進行性の病気です。
早期の死亡は、急激に経過する場合(症状が急激に悪化する)に認められ、発症後3年以内が多いといわれています。成人に発症した場合には、長い経過をもつ例が多いといわれています。
Letterer-Siwe病(レテラー・シーベ病)は小児の病気であり、病気は進行性で、症状の項目で述べたような症状が持続して、数年以内に死亡する場合が多いようです。