若年性肺気腫4 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・7. この病気にはどのような治療法がありますか
肺気腫になってしまった肺は正常の肺に戻ることはありません。

しかし、治らない病気だからといって治療はないとあきらめる必要はありません。

病気の進行を少しでも抑えるためにはまずタバコは絶対にやめることです。

また、周りの人の吸っているタバコの煙も自分で吸うのと同じように悪いことがわかっていますので、喫煙者の多くいる環境は避けたほうがよいでしょう。

息切れを軽くする治療としては、吸入用気管支拡張薬とテオフィリン製剤があります。

前者は鼻から吸入することによって空気の通り道である気管支を拡げる働きがあります。これは、気管支喘息の患者さんで使われる薬と同様のものです。抗コリン薬・β刺激薬と呼ばれるそれぞれ機序の異なる2種類の気管支拡張薬があります。

一般的には肺気腫の場合、気管支喘息の場合とは違って抗コリン薬のほうが多く使われますが、両者を併用したり、β刺激薬のほうがよく効く患者さんもいます。

ただし、β刺激薬は使いすぎると手の震えや脈拍が早くなるなどの副作用があります。

テオフィリン製剤は経口薬で効果が長く持続する特徴があります。

やはり気管支拡張効果がありますが、それ自体は吸入用気管支拡張薬と比べると強いものではありません。

呼吸に使う筋肉の力を強めたり、肺のなかの血管の抵抗を下げて心臓に対する負担を軽くする作用もあるため、患者さんによってはとても有効です。

食欲不振・吐き気などの消化器症状、頻脈、手の震え、不眠などの副作用も出やすい薬なので注意深く使う必要があります。

肺気腫患者は気管支炎・肺炎を合併すると、咳・痰が増え、息切れなどの症状が急に強く出ます。そこで、風邪やインフルエンザにかからないように注意するとともに、もしも、咳・痰の増加や咽頭痛・発熱があったときなどには早めに病院を受診することが大切です。

進行した肺気腫では、安静にしていても慢性的に体内の酸素欠乏状態があったり、あるいは、着替えをしたり少し歩いただけでも酸素欠乏状態を引き起こすようになります。

このような患者さんに対しては、在宅酸素療法が行われます。

これは、自宅でも鼻チューブを介して酸素吸入をしながら日常生活を送るものですが、現在では酸素吸入装置も便利で軽くなり、酸素吸入をしながら外出をすることもめずらしいことではなくなりました。