若年性肺気腫2 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3. この病気はどのような人に多いのですか
すでに述べたように、肺気腫は一般に高齢者で長く喫煙を続けてきた人にみられる病気です。

男性に圧倒的に多くみられる病気ですが、これは男性の方が多く喫煙をするからだろうと考えられています。

それでは、同じくらいの本数のタバコを同じ期間吸い続けた場合にはたして男女どちらがこの病気になりやすいかという質問についてははっきりした答えが得られていません。

若年性肺気腫の男女の割合、喫煙歴 の有無やその程度、幼少時の肺炎の既往、特殊なガスの吸入歴など背景因子については、まだ全国的なレベルの調査が緒についたばかり で、これまではっきりとした報告はありません。

4. この病気の原因はわかっているのですか
喫煙が肺気腫を起こす一番の原因と言われています。

しかし、どうしてタバコを吸う人の一部にだけこの病気が起こるかということはわかっていません。

また、多くの場合は高齢になってから発症する病気なのに何故一部の人では若いときにこの病気が起こってしまうかもわかっていません。

幼少時の気管支炎や肺炎、大気汚染、何らかの有害物質の吸入などが関係している可能性もあります。

最近は体質とか素因の面からタバコ煙に対する反応の差を重視した研究も進められていますが、後で述べるα1アンチプロテアーゼ欠損症と呼ばれる遺伝病の患者さんを除いて原因を特定するには至っていません。

肺気腫という病気が起こるしくみは一般に次のように考えられています。

身体の中にはプロテアーゼ(蛋白分解酵素)と呼ばれる蛋白質を溶かす働きをもつ多数の酵素があります。

この酵素は肺の中では白血球や肺胞マクロファージと呼ばれる細胞などから多く分泌されます。

一方、このプロテアーゼの働きを防御するのがアンチプロテアーゼ(抗蛋白分解酵素)で、やはり多数の種類があり肝臓や肺内のさまざまな細胞でつくられます。

このプロテアーゼとアンチプロテアーゼの肺の中における均衡が保たれていると問題はないのですが、プロテアーゼが過剰に分泌されたり、あるいは逆にアンチプロテアーゼ量が少なすぎたり、また量はあってもその働きが失われていると肺胞の壁をつくっている蛋白がプロテアーゼによって徐々に壊されていくのです。

喫煙によって肺気腫が起こるのは、喫煙者の肺内には非喫煙者と比べて白血球や肺胞マクロファージが数倍から10数倍も多く集まっていることで説明されます。

これらの細胞はタバコ煙によって刺激されると、プロテアーゼをより多く産生し、また分泌もします。

さらに、タバコ煙にはオキシダントと呼ばれる有毒物質も含まれます。オキシダントは肺内で増加した白血球や肺胞マクロファージからも分泌されます。

それ自身組織を障害する作用をもつばかりではなくアンチプロテアーゼの働きを弱めることによってプロテアーゼとアンチプロテアーゼの均衡をくずします。

このような肺の破壊はゆっくり少しずつ起こりますが、大人の肺胞壁は一度壊れると再生することはないので、病気は徐々に長い年月をかけて進行してゆくことになります。