環境省調査業務報告書平成14年度15 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・6) まとめ
6)-1 全白血病について
小児の白血病については、これまでに多数の幅広いレビュー、メタアナリシス、および最近の2つのプールドアナリシスが報告されている。

1つのプールドアナリシスでは9つの論文を基に分析され、0.4μT未満の超低周波磁界に曝露されることによりリスクは増加しないが、0.4μTを上回る超低周波磁界の曝露される場合にはリスクは2倍になると報告している。

もう1つのプールドアナリシスでは15の論文を基に分析され、0.3μTの超低周波磁界曝露をカットポイントとして、それを上回る場合の相対危険度が1.7と報告している。この2つのプールドアナリシスはほぼ一致した結果を示している。しかし超低周波磁界の研究結果とは対照的に、超低周波電界と小児白血病との関連性は示されていない。
電磁界の曝露による成人の白血病の相対危険度について、これまでの疫学研究の結果では、まったく影響しないとしたものから、高い曝露群において相対危険度が2.0を上回るとしたものまで様々であり、一貫した傾向が認められていない。

多くの研究結果を収集してそれぞれの違いを調整して再評価した結果では、より高い曝露群における相対危険度は1.1~1.3となった。そのため電磁界と成人の白血病との関連性は明らかにはされていない。
6)-2 全脳腫瘍について
電磁界の曝露と脳腫瘍との関連性については、成人の白血病と同様の結果である。

これまでの多くの疫学研究では職業性曝露に関するものが主であり、まったく関連性がないとしたものから強い関連性を認めたものまで様々であった。

しかし多くの研究結果を収集してそれぞれの違いを調整して再評価した結果では、相対危険度は1.1~1.3となり明らかな因果関係を示すには至らなかった。