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5. この病気は遺伝するのですか
先天性あるいは遺伝性因子の関与はたいへん少ないと考えられています。
家族の中や兄弟で肝内結石症がふたり以上みつかることはまれです。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
特徴的な症状はありません。
腹痛や発熱といった症状がほとんどです。
黄疸が見られることもあります。
これらは結石が胆汁の流れをさまたげるためと考えられています。
7.肝内結石症の診断にはどのような検査が必要ですか
腹部のCT検査、超音波検査で肝内結石症は診断されます。
また腹部MRI検査も最近では用いられるようになってきました。
8. この病気にはどのような治療法がありますか
治療は、手術的なものと手術を行わずに結石を取ったりする方法に分かれます。
全国的に見ると、結石の存在する部分を切除する肝切除術がもっとも多い手術的治療法です。
手術を行わずに結石を取る方法としては、経皮経肝胆道鏡(PTCS)による治療が普及しています。
9. この病気はどういう経過をたどるのですか
一回の治療でなおってしまう人は半分以下で、多くの人で数年のうちに再発を認めます。
難病といわれる由縁です。
再発した場合には、PTCSなどの非手術的な治療法が行われます。
再発をくりかえすと、胆管の炎症が重症になったり、肝機能が低下したりして、死亡に至ることもあります。
また、肝内結石症の患者さんに肝内胆管癌が発生してくることもありますので、見落とさないように注意深く経過観察する必要があります。