・ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議より
http://www.kokumin-kaigi.org/kokumin01.html
・http://www.kokumin-kaigi.org/newsletter/newsletter_57.pdf
ミツバチが生態系異変を警告!
ネオニコチノイド系農薬の使用、販売中止を求めよう!
常任幹事 水野 玲子
▼ミツバチの異変 原因は農薬?
世界各地でミツバチが突然姿を消す現象がおきている。
すでに2007年春までに北半球から4 分の1 のハチが消えた、というとんでもない事態が発生している。
ハチは1コロニー(群)に約3万~5万匹いるが、蜂群崩壊症候群CCD(ColonyCollapse Disorder)とは、そのコロニーそのものが消えてしまうミツバチ社会の崩壊を意味する。
ミツバチの受粉によって栽培されている食物は、ナス、ニンジン、カボチャ、トマト、いちご、メロン、リンゴなどの野菜や果物がたくさんあり、食用植物の約80% はミツバチの受粉の恩恵を受けている。
したがって、その受粉ができないことは農業の衰退、食料の減産につながり、われわれの食生活さえも脅かす事態になる危険性がある。
だが、このような生態系の連鎖について、私たちの危機意識はまだまだ低い。環境汚染に関わる問題の常だが、原因説として、ウイルス説、地球温暖説、栄養失調説、遺伝子組み換え農作物説、ミツバチへのストレス説、寄生ダニ説などが出されて議論が続き、有効な対策は日本でも遅れている。
しかし、その中でも殺虫剤ネオニコチノイド説が次第に有力になりつつあり、2005年に起きた日本の事例(岩手県)では、カメムシ対策として稲にネオニコチノイド系農薬の散布が近くで行われた直後に大量のミツバチの群が死滅したことから、農薬ネオニコチノイド説がきわめて濃厚とされている。
▼ネオニコチノイド農薬とは?
ネオニコチノイド系農薬は有機リンに替わり1990 年代に日本でも登場し、最近多用され始めた。
身近なところで使われている殺虫剤で、果樹園、野菜などのコナガやアブラムシ、稲作のウンカ防除、松枯れ対策、シロアリ駆除剤にも使用される。
以前より単位面積あたりの農薬使用量は日本が世界でも特に高いと指摘されているが、2002年度のOECDの報告書によれば、今日でも日本の農薬使用量は耕地面積当り米国の7倍、スウェーデンの25倍にのぼる。
ネオニコチノイド農薬が日本で登録され早15年経過したことを考えると、この間少なく見積もっても、すでに米国の100倍量の農薬が日本の農地に投入された可能性も否定できない。
そして、その中味がネオニコチノイドに替わりつつあるのである