・難病情報センターより
1. 特発性門脈圧亢進症とは
肝臓や門脈(小腸からの栄養分を多く含む肝臓に流入する血管)に特別な病変が存在しないにもかかわらず、門脈の圧が上昇し、食道静脈瘤が発生したり、脾臓の腫大、貧血等の症状を呈する疾患のことです。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
年間有病者数は640~1,070人程度であり、このうち約18%が年間の新発生患者数である。
本邦においては人口100万人当たり7.3人の有病率であろうと推定されております。
欧米より日本にやや多い傾向があり、また、都会より農村に多い傾向があります。
3. この病気はどのような人に多いのですか
男性より女性の方が3倍ほど多く、また、発症年齢のピークは40~50歳代といわれております。
4. この病気の原因はわかっているのですか
正確な原因は不明ですが、中年女性に好発し、血液検査で免疫異常が認められることがあることから、何らかの自己免疫異常(自分自身の体に対して自分の免疫が働く状態)という病態の関与が推測されております。
更に最近の研究により、血液中の一部のリンパ球の働きの異常が指摘されております。
現在このような点に関して重点的に研究が行われており、今後の解明が期待されます。
5. この病気は遺伝するのですか
遺伝性に関して明らかなデータはありません。
ただし、自己免疫異常という病態は、一般的に家系内に多発する傾向があることから、何らかの素因(遺伝子異常)の関与が否定できません。
この点に関しても現在研究が行われております。