日本でもミツバチ問題に対して、農業の抜本的改革を含めた大きな動きを期待したいものである。
(注1)種子処理/消毒とは:殺菌剤などにより種子のコーテイングをすること。浸透性殺菌剤であるネオニコチノイド系農薬は、欧米で種子処理剤として多用された。
薬剤が作物体内に吸収され効力を発揮する一方で、その危険性が指摘された。
フランス毒性委員会の報告書(2004年3月)は、メーカーの処方通りにイミダクロプリドで種子処理をした場合(トウモロコシやヒマワリの種)、ミツバチが経口・接触でどれほどの量のイミダクロプリドに暴露されるかを示した。
種子処理した種を撒く作業の際に環境に放出されるイミダクロプリドの量は、経口ミツバチ半数致死量(LD50)の1000倍、接触LD50の597倍と報告した。日本では、ネオニコチノイド系農薬は水稲の育苗箱処理剤などに多用されており、その影響についての研究はまだほとんど実施されていない。
(注2)土壌連合とは:地球にやさしい食物と農業をめざす市民団体でイングランドとウエールズの慈善委員会に登録されている。
1967年にはじめて農作物のオーガニック基準を作り、2050年目標にイギリス全土でオーガニック農作物100%をめざす。
≪活動報告≫ネオニコチノイド政策提言の申し入れ
「ネオニコチノイド系農薬の使用中止等を求める緊急提言」(骨子)
1.ネオニコチノイド系農薬7種の農薬登録取消し・販売禁止
2.アセタミプリド、イミダクロプリドのお茶・果物への残留農薬基準の早急の見直し・欧米諸国並みに厳格化。
3.ネオニコチノイド系農薬の家庭内での使用を禁止する等の措置
4.ミツバチの大量死に関する原因究明のための徹底した調査・ネオニコチノイド系農薬による被害に関する調査研究の早急実施。
5.ネオニコチノイド系農薬の生態系や人の健康に与える影響を早急に調査研究(特に有機リン系農薬との複合影響や子どもの脳の発達に及ぼす影響)
6.ネオニコチノイド系農薬の生活環境中での使用実態
・使用に伴う被害の発生状況・ネオニコチノイド系農薬が残留する食品摂取による健康被害の状況についての調査を早急実施