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5. この病気は遺伝するのですか
すべてではありませんが遺伝するものがあります。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
血栓のできる場所によって、症状はさまざまです。
最も多いのは下肢の太い静脈の血栓(下肢深部静脈血栓症)です。
足がむくみ、靴や靴下の跡がつく、正座できない、痛みを伴って赤紫色に腫れてくるなどです。
下肢深部静脈にできた血栓の一部が流れて肺の血管につまる(肺血栓塞栓症)ための胸痛、呼吸困難などです。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
血栓を取り除くために、ウロキナーゼ、遺伝子組み替え組織プラスミノゲンアクチベーターなど血栓を薬で溶かす治療、外科的な血栓除去術などが行われます。
同時に、新たな血栓ができてこないようにヘパリンやワーファリンなどの抗凝固薬が用いられます。
血栓がなんらかの病気によりひき起こされていると考えられる場合には、それに対する治療が必要になります。
凝固阻止因子の欠乏に対しては、それを補充することが可能なものもあります。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
重篤な血栓症を発症しない限り、予後は良好です。
しかし肺血栓塞栓症を併発すると症状が重篤で死に至ることもあります。
また原因がある場合はその原因を取り除かないと(治療しないと)血栓症を繰り返すことがあります。
生まれつき血栓症を起こしやすい場合は、血栓症を起こしやすいきっかけ(手術、妊娠、感染症、避妊薬内服など)に注意して日常生活を送ることが必要であり、医師の管理を受けることが勧められます。