TSH受容体異常症3 | 化学物質過敏症 runのブログ

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・3. この病気の原因はわかっているのですか
機能亢進性腺腫という病型では、甲状腺組織が発達する途中で一部の甲状腺細胞のTSH受容体遺伝子に変異が起こり、甲状腺細胞に細胞を増殖させる刺激とホルモンの分泌を亢進させる刺激とが伝えられっぱなしになるのが原因です。

「家族性・遺伝性甲状腺機能亢進症」では親またはその前の世代の生殖細胞のTSH受容体遺伝子に変異が起こり、これが子に伝えられて起こるもので優性遺伝(どちらかの親から変異のある遺伝子を受け取れば発症する)の形をとります。

「遺伝性・家族性甲状腺機能低下症」では両親の双方から異常のある遺伝子を受け継いだ場合にだけ異常が起こる劣性遺伝の形をとります。

4. この病気は遺伝するのですか
以上述べたことから御理解いただけるように、機能亢進性腺腫は遺伝しません。
「家族性遺伝性甲状腺機能亢進症」は優性遺伝の形で、「家族性遺伝性甲状腺機能低下症」は劣性遺伝の形で遺伝します。


5. この病気ではどのような症状がおきますか
機能亢進性腺腫では甲状腺の一部に結節を触れ、ごく軽いものから中等度くらいの甲状腺ホルモン過剰の症状を示します。
「家族性・遺伝性甲状腺機能亢進症」では甲状腺ホルモン過剰による症状を、「家族性・遺伝性甲状腺機能低下症ではホルモン欠乏による症状を示します。

6. この病気にはどのような治療法がありますか
機能亢進性腺腫は手術で機能亢進している組織を摘出するか、このような組織は放射性ヨードを効率よく取り込むことを利用した放射性ヨードによる治療が行われます。
「家族性・遺伝性甲状腺機能低下症に対しては、合成された甲状腺ホルモンであるチロキシンナトリウムを服用する「甲状腺ホルモン補充療法」が行われます。

「家族性・遺伝性甲状腺機能亢進症」に対してはバセドウ病に対するのと同様に抗甲状腺剤・放射性ヨード・甲状腺摘除手術による治療が行われる可能性がありますが、これまでの報告が少ないので、どの治療が最も効果的がまだ判断できません。