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6. この病気にはどのような治療法がありますか
特発性進行性感音難聴は遺伝性難聴との関連が注目されており、何らかの遺伝子異常が関与している可能性があります。
しかし、その発症に関与する遺伝子座などの詳細は明らかではありません。
原因となる遺伝子異常が明らかになれば、将来的には遺伝子治療が行える可能性があります。
現時点では特発性進行性感音難聴の治療には他の感音難聴と同様に血管拡張剤、代謝賦活剤、ビタミン製剤などが用いられています。
これらの治療薬も難聴の治療を目的とするよりも、進行防止を期待して用いられています。
また、難聴の急性進行期にはステロイド剤が用いられています。
一般に特発性進行性感音難聴の進行は緩徐であり、薬剤の効果を正確に判定することは困難なため、これらの治療薬の有効性は未だ明確ではありません。
7. この病気はどういう経過をたどるのですか
数年間にわたって難聴がほとんど進行しない症例もありますが、一般には上記治療を行っても感音難聴が徐々に進行すると考えられます。
平均すると1年間に約1dB程度、難聴が進行すると言われています。
時に難聴が急速に進行することもあります。このため、病院で定期的に聴力検査を受け、難聴の進行の有無を監視してもらうことが必要です。
聴力を定期的に記録しておくと、経過中に急に聴力が悪化した場合にその程度を正確に把握することができ、治療法に反映することができます。
関連ホームページのご紹介
遺伝性難聴ホームページ
http://www.okayama-u.ac.jp/user/med/oto/oto/HHihome.htm