・(4)腸の障害が原因に
腸と脳はつながっている。
腸の粘膜表面には外界に対するバリア機能がある。
しかし、粘膜表面が寄生虫や化学物質、薬品などによって損傷されたり、アレルギー物質によって侵されると、血管や神経束によって腸は脳へつながっているので、ストレスがかかって便秘や下痢を引き起こす。
重要なのは、神経束で腸と大脳がつながっているということだ。
こうした神経束の90%は上下に走っており、解剖的に見ても腸と大脳はつながっている。
そして、すべての神経伝達物質は、この腸管の部分で見つけられる。
たとえば、睡眠あるいは覚醒状態のコントロールに非常に重要で食欲を発生させるセロトニンなども90%は腸管で見つかる。
すなわち、化学的にも腸と脳がつながっていることを示している。
実は胃腸科の医師も、腸が原因でこのような疾患が起きることについて理解していない。
分子が大きなタンパク質や毒素、バクテリアは、通常であれば腸の表面のバリアによって体内へ侵入できずに腸管の中を通過していく。
ビタミン、ミネラルなどの栄養素はこのバリアを通過できるので体内へ吸収される。
ところが腸壁が損傷されると、バリアの中に開いたところができ、毒素が体内に取り込まれてしまい、そこから血管の中へ毒物が侵入する。
この場合、逆に小さな粒子は腸壁の表面に留まってうまく吸収されず、栄養失調、つまりビタミン欠乏症などが起きる恐れがある。
この場合も化学物質による突発的先行事件になり、アレルギーがトリガーされ、発症するということになる。