・4. この病気の原因はわかっているのですか
原因はまだはっきりしていません。ギラン・バレ-症候群と同様に自己の末梢神経を攻撃してしまう自己免疫異常がその原因ではないかと考えられています。
血液に末梢神経ミエリン構成成分(蛋白や糖蛋白など)に対する自己抗体が出現したり(液性免疫)、あるいは細胞性免疫などの異常が指摘され、自己免疫異常が関与することは明らかです。
5. この病気は遺伝するのですか
本症が遺伝するとした報告はありません。
ヒトの主要組織適合遺伝子複合体であるHLA(human leukocyte antigen)はヒト6番染色体の短腕上に存在する遺伝子領域によりコ-ドされる細胞膜糖蛋白質でクラスⅠ 抗原(HLA-A,-B,-Cなど)、クラスⅡ抗原としてHLA-DR,-DP,-DQ抗原があり、ハプロタイプを形成しています。
本症ではHLA抗原などを検討し、HLA-A3,-B7,DR2の頻度が高く、HLA-44,DR-7が低い報告があり、またHLA-DR2 ,-DR7とB44との強い関連性があるなどの指摘がありますが、まだ確定的なことはわかっていません。
6. この病気ではどのような症状がおきますか
脊髄から出て四肢、体幹の筋を支配する末梢運動神経(障害されると四肢の脱力となります)、皮膚、関節などから脊髄へ入る末梢感覚神経(障害されると四肢のしびれ、痛みを認める)が障害されるために、四肢の運動麻痺、感覚麻痺(鈍麻、異常感覚など)がおこります。
時に脳神経も障害され、舌・咽頭節麻痺、顔面節麻痺、ごく稀に呼吸麻痺がおこることもあります。
再発寛解を繰り返し、あるいは慢性進行性に末梢神経が障害され筋萎縮、感覚の脱失も出現します。
臨床的にはおおよそ80%が運動障害優位の運動感覚障害型、10%が純粋な運動障害型、10%が感覚障害優位型です。