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6. この病気ではどのような症状がおきますか
全ての型で筋力低下と筋萎縮を示し、深部腱反射の減弱・消失が見られます。
Ⅰ型は生後6か月ごろまでに発症、運動発達が停止し、体幹を動かすこともできません。
支えなしに座ることができず、哺乳困難、嚥下困難、誤嚥、呼吸不全を伴います。
舌の細かい振えがみられます。人工呼吸器を用いない場合、死亡年齢は平均6~9カ月、95%は18カ月までに死亡するといわれており、生命を救うためには、多くの例で気管内挿管や気管切開と人工呼吸管理が必要となります。
Ⅱ型は支えなしに立ったり、歩いたりすることができません。
舌の線維束性収縮、手指の振戦がみられます。成長とともに関節拘縮と側彎が著明になります。
また、上気道感染に引き続いて、肺炎や無気肺になり、呼吸不全に陥ることがあります。
Ⅲ型では立ったり歩いたりできていたのに、転びやすい、歩けない、立てないという症状がでてきます。次第に、上肢の挙上も困難になります。
発症は幼児期、小児期です。
小児期以前の発症では側彎が生じます。
Ⅳ型は成人発症です。
側彎は見られませんが、発症年齢が遅いほど進行のスピードは緩やかです。下位運動ニューロンのみの障害であり、筋萎縮性側索硬化症(ALS)が上位ニューロンも障害されるのと比較されます。
7. この病気にはどのような治療法がありますか
本症では根本治療はいまだ確立していません。
SMAのⅠ型やⅡ型の乳児期に発症する方では、授乳や嚥下が困難なため経管栄養や胃瘻が必要な方がいます。
また、呼吸器感染、無気肺を繰り返す症例が多く、予後を大きく左右します。鼻マスク人工換気法(NIPPV)は有効と考えられますが、乳児への使用には多くの困難を伴います。
また、筋力にあわせた運動訓練、関節拘縮の予防などのリハビリテーションが必要です。
Ⅲ型では歩行可能な状態をなるべく長期に維持できるように、また関節拘縮の予防のためにも、リハビリテーションを行い、装具の使用などを検討し、小児神経医、神経内科医、整形外科医、機能訓練士の連携が必要です。
8. この病気はどういう経過をたどるのですか
症状は徐々に進行する場合が多いですが、症状が一時期、進行した後、停止するような場合もあります。
Ⅰ、Ⅱ型では、成長と共に運動機能の獲得の時期もあります。