・ポンペ病
◆常染色体性劣性遺伝
◆α-グルコシダーゼの欠損によりグリコーゲンが体の筋肉や心臓の筋肉に蓄積して筋肉が壊れて症状が起こる。
◆病型と症状
・乳児型:1~3ヶ月で筋力低下、心臓肥大が起こり、急速に進行して1歳ころまでに死亡する。
・小児型:6ヶ月以降に、筋力の低下が起こり徐々に進行する。
心臓肥大を伴うこともあるが、程度は軽い。鼻声である。
呼吸不全が進行し、人工呼吸器が必要になる。
・成人型:10歳以降に緩やかな筋力低下がおこり、ゆっくりと進行する。心臓の症状は無い。
◆治療
酵素補充療法:「マイオザイム」を2週間に1回点滴投与する。
早期治療が重要で、病気が進行して筋肉が崩壊してしまうと効果がない。
ウォルマン病
◆常染色体性劣性遺伝
◆酸性リパーゼの欠損のために、全身臓器にコレステリルエステルおよびトリグリセリドが蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・ウォルマン病:生後1週頃より肝脾腫、嘔吐、脂肪便性下痢、腹部膨満、貧血が生ずる。
通常3~6ヵ月で死亡する。
・コレステロールエステル蓄積症(CESD):より軽症で、肝腫が乳幼時期より認められて次第に増大する。成人になってはじめて気付かれることもある。
高度の脂肪肝、肝線維症を続発する。若年において動脈硬化が進行する。
◆治療
軽症型に骨髄移植が試みられている。
ダノン病(Danon病)
◆X-連鎖性(伴性)劣性遺伝(ただし女性保因者でも症状が出る人がいる)
◆ライソゾームの膜にあるLAMP-2という物質が欠損して筋肉に空胞が多数できる。
◆病型と症状
肥大型心筋症と筋力の低下が起こる。
ポンペ病に似ている。
◆治療
効果的な治療法は無い。
遊離シアル酸蓄積症
◆常染色体性劣性遺伝
◆ライソゾームの膜の輸送障害により、ライソゾームに遊離シアル酸が蓄積して症状が起こる。
◆病型と症状
・遊離シアル酸蓄積症(重症型):乳児期より、発育不全、肝臓や脾臓の腫大、発達障害、ムコ多糖症様の顔貌と骨の変形が認められる。
・サラ病(Salla病)(軽症型):幼児期より、精神運動発達の遅れや運動障害(アタキシア)が起こる。
◆治療
有効な治療法は無い。