8. この病気はどういう経過をたどるのですか
腫瘍の成長は、遅い場合と比較的速い場合があります。腫瘍があっても何年も無症状で経過することや、急速に難聴・めまい・ふらつきや手足のしびれ・脱力などの神経症状が進行することもあります。
経過中に、最も生活上で問題になるのは難聴です。
難聴の治療は困難ですので、早めに手話や読唇術などの練習を行うことも必要になります。
両側聴神経鞘腫を放置した場合には、難聴の他に歩行障害や四肢麻痺が進行し、何れ生命の危険が高くなります。
また、脊髄神経鞘腫を放置すると、腫瘍の部位に応じて両下肢麻痺や四肢麻痺が進行します。
9. どのような検査が必要ですか
毎年1~2回の定期検査が必要です。
神経学的検査・聴力検査・頭部MRI・脊髄MRI・白内障検査などを受けてください。
10. 家族にも検査が必要ですか
遺伝性の病気ですので、家族の方も検査を受けることを奨めます。
比較的若年で発症する家系と比較的晩年に発症する家系があります。
家系の発症年齢時期には検査を専門病院で受けてください。
発症年齢をかなり過ぎても異常が起こらなければ、遺伝の可能性は低いと言えます。