・wikipediaより
網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう、英: pigmentary degeneration of the retina, 羅: degeneration pigmentosa retinae)は眼科疾患の一つで、中途失明の3大原因の一つである。数千人に一人の頻度で起こるとされており、盲学校ではこの病気の生徒が
一番多い。
長い年月をかけて網膜の視細胞が退行変性していき、主に進行性夜盲、視野狭窄(求心性、輪状暗点、地図状暗点、中心暗点)、羞明(しゅうめい)を認める疾患である。
進行度合や症状には大きな個人差がある。
1996年に厚生省から難病指定を受ける。成人中途失明原因3位と言われていたが、正確には成人中途視覚障害原因3位というのが正しい。
様々な治療法が研究されており、現時点では点眼での網膜神経保護、遺伝子治療、網膜幹細胞移植、人工網膜などの研究が全世界で行われているものの、根本的な治療法が見つかっていない。
治療法の確立を目指す全国組織として、患者、支援者、学術研究者が三位一体となった日本網膜色素変性症協会(JRPS)がある。
原因 [編集]
遺伝性疾患であるが、孤発例も多く見られる。 本疾患の遺伝形式には、常染色体優性遺伝、常染色体劣性遺伝、伴性劣性遺伝の3つのタイプがある。[1]
統計 [編集]
3000~4000人に1人の割合で発症する。
国内には約5万人、世界では150万人以上の患者がいると言われている。
症状 [編集]
初期には夜盲を自覚することが多い。
網膜の視細胞には杆体細胞と錐体細胞のニ種類があり、この内暗い所でのものの見え方を担うのが杆体細胞で、1つの眼に1億個あり、眼底全体に広がっているが、もう一つの錐体細胞は眼底の中心部分・黄斑部に集中して存在し、その数は600万個程であり、数の多さと範囲の広さで杆体細胞が勝っている為に、確率的に先ず杆体細胞が錐体細胞より衰え易い為だと考えられる。
夜盲の後には徐々に視野狭窄を示す(外を歩いていると急に視界に人が飛び込んでくる、人混みで人によくぶつかる、落としたものを探すのに時間がかかる、など)。
羞明(しゅうめい)に対しては、遮眼鏡(紫外線や網膜に有害とされる青色光線をカットするもの)で対応する。
黄斑部に病変が及ばないため、末期まで視力が維持されることが多い。一般的には進行は極めて緩徐である。