・難病情報センターより
1. 特発性拡張型(うっ血型)心筋症とは
本症は心室の筋肉の収縮が極めて悪くなり、心臓が拡張してしまう病気で肥大型心筋症に較べて予後の悪いものです。
我が国のかつて統計によると、診断されてから5年生存している人は54%、10年生存は36%とされていましたが、最近では治療の進歩により生存率は76%と良くなっています。
死因としては、心不全と不整脈があります。また、不整脈や心不全の重い人では、心臓の腔内に血の塊(血栓)ができて、それがはがれて血流に乗って流れると脳の血管などにつまって脳梗塞を生じたりします。
2. この病気の患者さんはどのくらいいるのですか
平成11年の厚生省の調査では全国推計17,700人であり、10万人あたり14人でした。しかし、この調査は病院を受診した人であり、また、この病気は無症状の人が多いため、実際にはもっと多いと考えられています。
3. この病気はどのような人に多いのですか
男女とも60歳台が最も多く、ついで男性では50歳台、女性では70歳台に多くみられます。
男女比は2.6:1と男性に多い傾向がみられます。
4. この病気の原因はわかっているのですか
現在のところ原因は不明ですが、ウイルス性心筋炎の関与が注目されています。
この病気はC型肝炎ウイルス感染によってもおこることが報告されていますが、発症原因の詳細は不明です。
また、免疫異常、栄養のかたより、飲酒などが悪影響を及ぼすこともあるといわれています。
5. この病気は遺伝するのですか
上記の厚生省の調査では5%に家族内発症がみられることより、遺伝的素因の関与も考えられています。