・wikipediaより
ウェゲナー肉芽腫症(Wegener's granulomatosis)は全身性の血管炎で、もっとも小さい血管を傷害する。
鼻やのどの傷害からはじまるので最初は風邪のようでもあるが、急速に間質性肺炎、急速進行性糸球体腎炎をきたす。
したがって症状は、咳、呼吸困難、浮腫などである。軽度の発熱もおこる。鼻に関しても内部構造が破壊され、つぶれて鞍鼻を呈することがある。
眼球突出、ぶどう膜炎、角膜潰瘍など眼科的疾患も起こることがある。
そのほか皮膚(有痛性紅斑)、神経、脳をおかしうる。
血液検査ではc-ANCAまたはPR3-ANCAが特異的に上昇する。ステロイド剤などの治療をもってしても90%以上が死亡するきわめて重篤な疾患であったが、免疫抑制剤であるシクロフォスファミド(エンドキサン®)が治療応用されて以来、比較的予後はよくなってきている。
疫学 [編集]
30代から50代にかけて男性と50台から60台の女性に多い傾向があるが、発症例は5歳から80歳までと広範囲にわたる。
病理学からみた症状 [編集]
巨細胞性肉芽腫
主に鼻粘膜にみられる。これにより鼻閉や鼻出血がみられる。
フィブリノイド型血管炎
気道全般に見られる。これらによって肺炎の症状がみられる。喘息がみられないのがチャーグ・ストラウス症候群とは異なる点である。
好酸球の量が鑑別の参考となる。
半月体形成
急速進行性糸球体腎炎(RPGN)をおこす。肺と腎に病変を起こす疾患としてはグッドパスチャー症候群があるがこちらは鼻出血どころではなく喀血する。また20代男性に多いという特徴がある。
治療 [編集]
ステロイド
免疫抑制剤 - 現在、寛解が80%以上得られるシクロフォスファミドが欧米では標準治療である。[1]
分子標的治療薬 - リツキシマブによるリンパ球(B細胞)抑制が現在希望視されている[2]。日本では健康保険適応はない。
引用・参照 [編集]
1.^ JAMA 2007; 298: 655-669
2.^ Rituximab versus cyclophosphamide for ANCA-associated vasculitis. N Engl J Med 2010; 363: 221-232.
外部リンク [編集]
難病情報センター|ウェゲナー肉芽腫症 特定疾患情報