・wikipediaより
アミロイドーシス(Amyloidosis)とは「アミロイド」と呼ばれる蛋白が全身の臓器の細胞外に沈着する疾患。日本では特定疾患(難病)に指定されている。
概念 [編集]
アミロイド蛋白が全身に沈着する予後不良の疾患である。アミロイドは各種溶媒に難溶性であり、マクロファージの食作用にも抵抗性を示すため、沈着が減少することなく少しずつ増加していき、やがて組織を破壊していくことで症状が出る。
分類 [編集]
全身性アミロイドーシス
免疫グロブリン性アミロイドーシス(AL型)
アミロイドが免疫グロブリンのL鎖からなるもの。
形質細胞から産生される。
反応性AAアミロイドーシス(AA型)
何らかの基礎疾患に続発して発症する。
基礎疾患としては関節リウマチ、結核、ハンセン病、家族性地中海熱、気管支拡張症などがある。
家族性アミロイドーシス
家族性アミロイドポリニューロパチー(FAP)、家族性地中海熱などが知られる。
透析アミロイドーシス
限局性アミロイドーシス
脳アミロイドーシス
特に脳アミロイドアンギオパシーは高齢者における脳出血(とりわけ皮質下出血)の原因として高血圧についで第二位を占めるので有名である[1]。
内分泌アミロイドーシス
心アミロイドーシス
不整脈を引き起こすことがある。
疫学 [編集]
平成10年の推定患者数は免疫グロブリン性アミロイドーシスが510人、反応性アミロイドーシスが1800人、透析アミロイドーシスが4500人である。
反応性アミロイドーシスの90%は関節リウマチが基礎疾患であった。
病理 [編集]
アミロイドはコンゴーレッド染色で橙赤色に染まり、偏光フィルターで観察すると緑色偏光を示すという特徴がある。
AA型では、過マンガン酸カリウム処理でコンゴーレッド染色性が消失する。
症状 [編集]
全身衰弱
体重減少
貧血
浮腫
以上の症候は病型を問わず高頻度に見られる。他に消化器症状や神経症状も見られるが、やはり病型による差異はほとんど見られない。
反応性アミロイドーシスでは基礎疾患に腎不全や心不全が加わる。
全身性アミロイドーシスや心アミロイドーシスでは心電図で低電位となる。
透析アミロイドーシスでは長期の透析歴の後、骨、軟骨、滑膜など骨関節組織にβ2ミクログロブリンを前駆物質とするアミロイド線維が沈着することにより、手根管症候群、破壊性脊椎関節症、および嚢胞性骨病変などの骨関節障害を発症する。
アミロイド腎症は、ALアミロイドーシスとAAアミロイドーシスによって発症し、しばしばネフローゼ症候群を伴う蛋白尿が見られ、進行性に腎機能が低下する。