筋萎縮性側索硬化症 | 化学物質過敏症 runのブログ

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wikipediaより

筋萎縮性側索硬化症(きんいしゅくせいそくさくこうかしょう、amyotrophic lateral sclerosis、通称ALS)は、重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす神経変性疾患で、運動ニューロン病の一種。きわめて進行が速く、半数ほどが発症後3年から5年で呼吸筋麻痺により死亡する(人工呼吸器の装着による延命は可能)。治癒のための有効な治療法は確立されていない。

有名な患者ルー・ゲーリッグ(米大リーグ選手)から、ルー・ゲーリッグ病(Lou Gehrig's disease) とも呼ばれるが[1]、ゲーリッグは別の病気にかかっていたという説もある[2]。ICD-10ではG12.21。日本国内では1974年に特定疾患に認定された指定難病である。

疫学 [編集]
1年間に人口10万人当たり1~2人程度が発症する。好発年齢は40代から60代で、男性が女性の2倍ほどを占める。日本では紀伊半島に多く、高齢化の影響も加味すると発症は1年間人口10万人当たり10人に及ぶ。グアムも多発地域である。90%程度が遺伝性を認められない孤発性である。残り10%程度の遺伝性ALSでは、一部の症例に原因遺伝子が同定されている。遺伝性ALSの20%程度を占めるとされる、常染色体優性遺伝のALS1は21番染色体上のSOD1(スーパーオキシドジスムターゼ1遺伝子)に突然変異がある。

病理 [編集]
初めて報告されたのは19世紀でありながら、原因は未だに不明である。グルタミン酸が興奮性の神経伝達物質として働き、運動ニューロンを過剰刺激して細胞死を起こすという説(グルタミン酸仮説)があり、現在認可されている治療薬リルゾールはこの仮説に基づいて開発された。ヒト変異SOD1を発現するマウス(SODマウス)は筋力低下と筋萎縮を示して死亡することから、ALSのモデル動物として研究されている。現在までに次のような病態が明らかにされた。この他、環境因子の関与、神経栄養物質の欠乏説、フリーラジカル説などが考えられている。

1.タンパク質の異常凝集
2.異常タンパク質の分解系の異常
3.ミトコンドリアの異常
4.かつて血管拡張因子と考えられていたタンパクの機能異常
5.スーパーオキサイドの過剰産生による(周辺細胞を含む)細胞死
SOD1マウスで延命効果があった多くの治療が臨床治験に至っている。

臨床像 [編集]
運動系が広範に障害され、特に錐体路について上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方による徴候を呈する。感覚系や自律神経系の障害は通常認めない(陰性徴候)。きわめて速く進行し、症例の半数ほどが発症後5年以内に呼吸筋の麻痺を起こし、自力で呼吸ができなくなって死亡する。

下位ニューロンの障害による徴候は、頭頸部(脳神経による)・四肢(脊髄神経による)の筋萎縮・筋力低下・線維束性収縮が目立つ。四肢筋萎縮は上肢の遠位筋に顕著である。脳神経の障害で構音障害・嚥下障害・舌萎縮(球麻痺)が現れる。腱反射は低下する。典型例では下位ニューロンの障害が上位ニューロンの障害よりも先に、しかも強く現れる。

上位ニューロンの障害による徴候は、四肢の筋萎縮(上肢よりも下肢に顕著)、球麻痺、強制号泣・強制失笑、腱反射・下顎反射亢進などである。上位ニューロンの障害が強い症例では、反射が亢進することも、下位ニューロンの障害によって消失していることもある。

古典的ALSの臨床像は典型的な場合は一側上肢遠位部の手内筋の筋力低下からはじまり、筋力低下や筋萎縮はやがて多肢のおよび。近位筋や舌にも広がって最終的には四肢麻痺の状態にひろがる。上位ニューロン障害と下位ニューロン障害が解剖学的に独立に進行するため、運動症状の経過は多様性に富む。下位ニューロン障害はまずは一側の局所的部位から反対側へ、続いて同側の上下方向に進行する場合が多い。上位ニューロン障害はまずは同側の上下に進行し、続いて反対側へ広がることが多いとされている。

陰性徴候として、感覚障害、眼球運動障害、膀胱・直腸障害、褥瘡がある。すなわちALSでは通常これらの徴候が現れない。ただし少数の症例で感覚障害や、錐体外路徴候がみられる。痴呆も普通は現れないが、少数にみられる。

その他、硬く光沢のある皮膚や、発汗に異常を呈することがある。