再生不良性貧血 1 | 化学物質過敏症 runのブログ

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wikipediaより
再生不良性貧血(さいせいふりょうせいひんけつ、aplastic anemia; AA)とは骨髄機能低下による貧血の1つ。英語の正確な和訳は低形成貧血であり、日本語の「再生不良性」は別の研究者が提唱したaregenerative anemiaを和訳したものである。1950年代頃までは「汎骨髄癆(はんこつずいろう)」という名称も用いられた。

歴史 [編集]
1888年にドイツの医学者パウル・エールリヒが、汎血球減少と子宮出血を起こして死亡した21歳女性を剖検したところ、大腿骨の骨髄髄質が脂肪化していたことを発見し、aplastische Anämieと命名し、学界に発表したのが最初である。日本語では「汎骨髄癆」と訳されて、戦後もしばらくこの名称が用いられたが、「再生不良性貧血」或いは「再生不能性貧血」も併用され、戦後の難解漢字使用制限もあって「再生不良性貧血」が一般化するようになった。
病態 [編集]
骨髄中の造血幹細胞が減少することによって骨髄の造血能力が低下し、末梢血中の全ての系統の血球が減少(汎血球減少と言う)する。造血幹細胞の減少した骨髄は、脂肪細胞に置き換えられる。この状態の骨髄を脂肪髄と言う。再生不良性貧血はMDS、PNHと類縁疾患である可能性が示唆されており、それぞれの疾患との鑑別が重要視されている。

分類 [編集]
顆粒球、血小板、網赤血球の数により重症度を分類する。

重症
少なくとも下記の2項目を満たすもの
顆粒球数<500/μl
血小板数<20,000/μl
網赤血球絶対数<20,000/μl
中等症
少なくとも下記の2項目を満たすもの
顆粒球数<1,000/μl
血小板数<50,000/μl
網赤血球絶対数<60,000/μl
軽症
それ以外のもの
原因 [編集]
再生不良性貧血の原因は、先天性と後天性に分けて考えられる。

遺伝子異常による先天性再生不良性貧血を、ファンコニー貧血(Fanconi anemia)と言う。この遺伝子異常があるとDNA架橋剤への暴露による染色体異常が起きやすく、造血幹細胞がアポトーシスに陥りやすくなる。先天性再生不良性貧血は常染色体劣性遺伝である。
後天性再生不良性貧血はさらに、後天性と二次性(続発性)に分けられる。
特発性再生不良性貧血は、その名の通り原因不明の疾患である。しかしながら近年では、遺伝子異常や免疫学的機序の異常の関与が指摘されている。
二次性再生不良性貧血の原因は様々なものが知られている。ウイルス性肝炎は、二次性再生不良性貧血の原因の中で最多である。肝炎発症後1~3ヶ月で発症するが、原因となるウイルスについては、既知のウイルスではないと考えられており、未だ同定されていない。また、抗癌剤、ベンゼンおよび誘導体、無機砒素化合物などは本症を引き起こす可能性がある。抗生物質、抗痙攣薬、抗甲状腺薬、鎮痛薬、糖尿病治療薬などの一部も挙げられている。しばしば起こすものとして因果関係が証明されているのはクロラムフェニコールのみである
放射線も二次性再生不良性貧血の原因となる事がわかっている。主に、体内に入った放射性物質による放射線の作用による。1954年3月、ビキニ環礁でのアメリカの水爆実験によって死の灰を浴びた第五福竜丸の船員は、東京大学医学部において「急性放射能症」と診断された。しかし患者の骨髄にストロンチウム90等の放射性同位体が沈着し、ベータ線を放出して造血細胞を破壊した事による造血機能の障害を認めた主治医の三好・熊取の両博士によって「急性汎骨髄癆(きゅうせいはんこつずいろう)」の病名が与えられた。
疫学 [編集]
日本における年間患者発生数は100万人あたり6人前後とされており、欧米諸国はこれの1/2~1/3程度である。人種による差異はなく、地域的なものと考えられている。発症年齢のピークは15~19歳と70代である。女性のほうが約1.5倍と多いが、40歳までは性差はない。

日本においては、臨床個人調査票を用いた解析により患者数は約11,159人(2006年)となっている。(厚生労働省難治性疾患克服研究事業 血液系疾患調査研究班による提供情報)  現在特定疾患に指定されている。