治療 [編集]
適切な治療によって80%は軽快・寛解し、日常生活に戻れる。
眩しさを軽減するため遮光眼鏡の装着をすすめられる。
治療方法としては、大別して、抗コリンエステラーゼ製剤投与や血液浄化療法(血漿交換や血漿吸着)やガンマグロブリン大量静注等による対症療法と、拡大胸腺摘出術やステロイド療法やその代替となる免疫抑制療法(タクロリムス水和物製剤やアザチオプリン製剤やシクロスポリン製剤が用いられる)等による根治療法とがある。
クリーゼに対する処置 [編集]
呼吸状態が生命に危険を及ぼす程劣悪である場合、直ちに気管挿管する。そうでない場合、クリーゼがMGの症状悪化による筋無力性クリーゼなのか、それとも、抗コリンエステラーゼ剤の過剰投与によるコリン作動性クリーゼなのかをテンシロンテストを行い判別する。症状が改善した場合、筋無力性クリーゼと判断し、臭化ピリドスチグミン製剤等の抗コリンエステラーゼ剤を投与する(副作用のムスカリン作用に対しては硫酸アトロピン製剤を用いる)。症状が悪化した場合、コリン作動性クリーゼと判断し、抗コリンエステラーゼ剤投与を中止して硫酸アトロピン製剤を投与する。症状悪化により呼吸状態が生命に危険を及ぼす程劣悪となった場合、気管挿管する。なお、現に抗コリンエステラーゼ剤により症状をコントロール中の場合、テンシロンテストを行うよりも抗コリンエステラーゼ製剤の投与を中断しての反応を見て判断するのが望ましい。
診療科 [編集]
神経内科
神経眼科
その他 [編集]
小児発症の多い病気であるが、日本国内で本疾病について広く知られる様になったきっかけは、1982年6月に俳優の萬屋錦之介が歌舞伎座での舞台公演中に倒れて入院、その際に本疾病と診断された事であるとされる。
それまでは『怠け病』や休息後は症状が出現しないため『詐病』などの誤解や偏見も珍しくなかった病気であるが、萬屋の入院に関連するテレビ報道(ワイドショー)などによりその症状なども併せて語られた事により、ようやく難病として認知される様になった。
そのため、中年層以上の者に本疾病について説明する場合、事細かに症状を言うよりも『昔、萬屋錦之介がやった大病』と言った方が説明が早く済んでしまう事も珍しくない。
なお、萬屋は1年半にも及ぶ闘病生活の末、驚異的な回復力を見せてこの疾病を克服、その後も映画やドラマ、舞台への出演を続けた。
手塚治虫原作の漫画「ブラック・ジャック」の第96話「座頭医師」で、原因不明の病気を針治療をして各地を放浪している謎の針治療の名人「鍼師琵琶丸」が、ブラックジャックから拡大胸腺摘出術を受ける予定の重症筋無力症の患者の少女に勝手に針を打つシーンでもこの病気が登場する。
テレビ朝日系で2006年7月11日放送された「最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学」でもこの病気の症状について紹介されている。
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