不純物 :trans-1, 2-ジクロロエチレン
添加剤または安定剤:安定剤添加(詳細不明)
物理・化学的性状データ
外 観:無色液体2)
融 点:-81.5℃3)
沸 点:60℃3)
引 火 点:6℃ 3)
発 火 点:460℃2)
爆 発 限界:文献なし
比 重: 20
4 d 1.2843)
蒸 気 密度:3.34(空気 = 1)
蒸 気 圧:26.7 kPa(200 mmHg)(25℃)3)
分 配 係数:log Pow;1.98(計算値)4)
加水分解性:加水分解を受けやすい化学結合なし
解 離 定数:文献なし
スペクトル:主要マススペクトルフラグメント
m/z 61(基準ピーク, 1.0)、96(0.73)、98(0.47)5)
吸 脱着性:土壌吸着係数Koc;492)
粒 度 分布:該当せず
溶 解 性:cis-1, 2-ジクロロエチレン/水;8 g/L(20℃)3)
エタノール、アセトン、ベンゼン、クロロホルムなどの有機溶媒に可溶3)
換 算 係数:1 ppm = 4.03 mg/m3
(気体, 20℃) 1 mg/m3 = 0.248 ppm
(cis-1, 2-ジクロロエチレン)2
総合評価
1) 危険有害性の要約
本物質はヒトでは嘔吐、中枢神経系の抑制、眼、皮膚への刺激などが報告されている。
実験動物では中枢神経系への影響が報告されている。変異原性・遺伝毒性ではin vitro、in
vivo において陽性の報告がみられるが、発がん性を判断する有用な報告はない。また、生
殖・発生毒性についての報告はない。
本物質は環境中に放出された場合、水圏では生分解されにくいが、濃縮性は報告がない。
大気中ではOH ラジカル及びオゾンとの反応が関与しており、半減期はそれぞれ1 週間前
後及び1 年以内と計算される。環境省のモニタリングでは水質、底質及び大気から検出さ
れたことがある。
2) 指摘事項
(1) 実験動物において中枢神経系への影響がみられる。
(2) 化審法の指定化学物質及び化学物質管理促進法の第一種指定化学物質に指定されており、
環境モニタリングを継続すると共にリスク管理をより一層徹底する必要がある。